フランジの「平面度」を0.01mm単位で管理しないと、締結後の漏れ事故で損害賠償リスクが生じます。
フランジ加工とは、金属部品の端部や側面に「鍔(つば)」と呼ばれる板状の突出部を一体成形、または後加工で取り付ける加工技術のことです。配管・圧力容器・ポンプ・バルブなどの接続部に広く使われており、現場では「フランジを切る」「フランジを立てる」という表現で日常的に登場します。
フランジの最大の役割は「接続と密封」です。ボルトとナットで二つの部品を締結しながら、ガスケットを挟み込んで流体の漏れを防ぎます。単純な構造に見えますが、面の平面度・ボルト穴の位置精度・シール面の面粗さが少しでもズレると、締結後に漏洩が発生します。
現場でよく起きるのが「締め付けトルクは正しいのに漏れる」というトラブルです。原因の多くは、フランジ面の平面度が0.1mmを超えていることにあります。精度は数字で管理が基本です。
素材としては炭素鋼(SS400・S45C)・ステンレス鋼(SUS304・SUS316)・アルミ合金(A5052など)が代表的で、使用流体の種類(水・油・薬液・ガス)と温度・圧力によって素材選定が変わります。JIS規格では使用圧力によって「呼び圧力」がクラス分けされており、たとえば10Kフランジは常用圧力1.0MPa(約10kgf/cm²)に対応します。
JIS B 2220 配管フランジ規格の詳細(日本産業標準調査会)
フランジの形状は用途と取り付け方法によって複数の種類に分かれています。主要なものを整理しておくと、現場での図面読み取りと加工指示が格段にスムーズになります。
代表的な形状は以下の通りです。
形状の違いは「接続強度」「施工性」「コスト」の三つで選定します。たとえばWN(ウェルドネック)は材料費と溶接工数が増えますが、1MPa超の高圧ラインでは事実上これ一択です。逆にSOフランジを高圧ラインに使うと溶接部からの漏洩リスクが上がり、後の補修コストがフランジ本体の数倍に膨らむケースがあります。
シール面の形状にも注目が必要です。フラットフェイス(FF)・レイズドフェイス(RF)・トングアンドグルーブ(TG)・リングジョイント(RTJ)などがあり、高圧・高温になるほどRFやRTJが選ばれます。これも基本です。
フランジを「どう削るか・どう成形するか」は、生産ロット数・素材・要求精度によって大きく変わります。工法を誤ると、加工時間が標準の2〜3倍になることも珍しくありません。
主な加工工法の特徴は以下の通りです。
現場で特に判断が難しいのが「旋盤だけで完結させるか、マシニングセンタに流すか」という判断です。ボルト穴のPCDが±0.1mm以内の精度指示がある場合は、マシニングセンタのロータリーテーブルで穴加工まで一貫して行うのが確実です。旋盤でチャッキングし直して穴加工すると、基準面のズレによる位置誤差が累積するからです。
鍛造フランジと鋳造フランジの選定も重要なポイントです。JIS B 2220の附属書では、高圧クラスには鍛鋼品(SFVC2B等)を使用するよう規定されています。材質の混用は規格違反につながります。材質は確認が必須です。
精密工学会誌(旋盤・フライス加工の精度に関する研究論文のデータベース)
フランジ加工の品質はすべて「精度管理」に集約されます。特に現場で見落とされがちな三つの管理項目を押さえておくことで、納品後のトラブルを大幅に減らせます。
① シール面の平面度
レイズドフェイス(RF)のシール面は、JIS B 2220では面粗さRa 1.6〜3.2μm(仕上げ記号▽▽〜▽▽▽相当)が標準とされています。これはA4用紙の厚さ(約0.1mm)の1/30〜1/60程度のレベルです。平面度が0.05mmを超えると、締め付けトルクを規定値にしてもガスケットが均一に潰れず、局所的な漏れ経路が生まれます。
② ボルト穴のPCDとピッチ精度
ボルト穴のピッチ円直径(PCD)の公差は、通常±0.2mm以内が求められます。4穴フランジの場合、穴の割り付け角度は90°ですが、角度ズレが0.3°あるとPCD150mmのフランジでは穴位置が約0.4mmずれます。相
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