SUS202はSUS304の約半分の価格で流通していますが、実はニッケル含有量が大幅に少なく、気づかぬまま使い続けると現場で深刻な腐食クレームにつながります。 ameblo(https://ameblo.jp/toukyouwan2002/entry-11549032461.html)
SUS202はオーステナイト系ステンレスの一種ですが、SUS304と比べてニッケル(Ni)の含有量が大幅に少なく、代わりにマンガン(Mn)で補った設計になっています。 これが耐食性の差に直結します。 ameblo(https://ameblo.jp/toukyouwan2002/entry-11549032461.html)
| 項目 | SUS304 | SUS202 |
|---|---|---|
| クロム(Cr) | 約18% | 約16〜18% |
| ニッケル(Ni) | 約8% | 約3.5〜5.5% |
| マンガン(Mn) | 約2%以下 | 約7.5〜10% |
| 価格目安 | 標準 | SUS304の約半分 |
| 耐食性 | 高い | SUS304より劣る |
ニッケルは不動態被膜(酸化クロムの保護層)を安定させる役割を持ちます。 つまりニッケルが少ないSUS202は、被膜の再生能力が弱く、傷や溶接熱が加わった箇所から腐食が始まりやすいということです。 agency-assist.co(https://www.agency-assist.co.jp/column/659/)
SUS304の約半分のニッケルしかない、と覚えておけばOKです。
現場では「ステンレスだから問題ない」と思って採用したが、納品後に黒変・錆クレームが来たというトラブルも報告されています。 選材段階でSUS202とSUS304を明確に区別する習慣が、後工程の品質を守る第一歩です。 ameblo(https://ameblo.jp/toukyouwan2002/entry-11549032461.html)
SUS202が現場で錆びる原因は、大きく4つに分類できます。
① もらい錆(異種金属接触腐食)
鉄製の工具や切粉、鉄粉がSUS202の表面に付着したまま放置されると、その鉄が先に錆びてSUS202表面に錆が移ります。 鉄工所やグラインダー作業が近い環境では特に起きやすく、肉眼では「ステンレスが錆びた」としか見えないため、原因の特定が遅れがちです。 monotaro(https://www.monotaro.com/note/productinfo/stainless_fusyoku/)
これはもらい錆と呼びます。
② 塩分・塩素イオンによる孔食
塩素イオンはSUS202の不動態被膜を局所的に破壊し、ピンホール状の「孔食(こうしょく)」を引き起こします。 海沿いの工場や塩素系洗浄剤を使う環境では、SUS304でも腐食しますが、ニッケルが少ないSUS202では進行がさらに速くなります。孔食は直径1〜数mmの小さな穴から内部に向かって進むため、表面を見ただけでは深刻さに気づきにくいのが特徴です。 resonanz.co(https://www.resonanz.co.jp/stainless-sabi/)
③ 溶接後の粒界腐食
溶接時に450〜850℃の温度帯にさらされた部分では、クロムが炭素と結合して粒界に炭化クロムを形成します。 結果として、その周辺のクロム濃度が下がり、不動態被膜が形成できなくなります。SUS202はニッケル量が少ないため、この粒界腐食が起きやすいことが知られています。溶接を多用する現場では特に注意が必要です。 ameblo(https://ameblo.jp/toukyouwan2002/entry-11549032461.html)
④ 酸素不足による隙間腐食
汚れや異物でSUS202表面が覆われると、その下に空気(酸素)が届かなくなります。 不動態被膜は酸素がないと再生できないため、隙間の部分から局部腐食が進行します。これを隙間腐食と呼び、ボルト・ナットの接合部やパッキン周りで発生しやすいです。 yamato(https://www.yamato.cc/post/stainless-sabi-genin-taisaku)
参考:もらい錆の発生メカニズムと防止策(モノタロウ技術情報より)
ステンレス鋼の腐食の原因と対策|モノタロウ
現場で「これはSUS202かSUS304か」を見分けることは、品質管理上とても重要です。見た目だけでは判断できないケースが多いです。
最も手軽な方法が磁石テストです。オーステナイト系ステンレスは本来非磁性ですが、SUS202はニッケルが少なく、加工(曲げ・プレス)によってマルテンサイト変態が起きやすく、磁石に引き付けられる場合があります。 ただし、これは補助的な確認手段であり、磁石に引っ付かなくてもSUS202である可能性は十分あります。 agency-assist.co(https://www.agency-assist.co.jp/column/659/)
確実な識別には成分分析(蛍光X線分析)が必要です。
もう一つの実用的な手法は納品書・ミルシートの確認です。材料証明書(ミルシート)にはNi・Cr・Mn含有量が記載されており、SUS202であればNiが5%以下・Mnが7%超という数値が確認できます。 加工前の段階でミルシートを必ず受け取り、ロット番号と照合する習慣をつけることが、材料誤認によるクレームを防ぐ最も確実な手段です。 ameblo(https://ameblo.jp/toukyouwan2002/entry-11549032461.html)
ミルシートの確認が原則です。
参考:SUS304とSUS202の識別・特性比較についての解説
304ステンレス鋼(SUS304)と202ステンレス鋼(SUS202)の見分け方|CNC Machining Japan
SUS202の錆トラブルは、適切な管理で大幅に減らせます。現場ですぐに実践できる対策を整理します。
加工時の対策
- グラインダーや溶断作業で発生する鉄粉がSUS202に付着しないよう、作業エリアを区切る
- SUS202専用の工具・砥石を用意し、鉄鋼材加工品と混用しない(もらい錆防止)
- 溶接後は800℃以上に加熱して炭化クロムを再溶解させる「固溶化処理」を検討する ameblo(https://ameblo.jp/toukyouwan2002/entry-11549032461.html)
固溶化処理が粒界腐食への対策です。
保管時の対策
- 湿度が高い場所での長期保管は避け、乾燥した換気の良い環境に置く cncmachining(https://cncmachining.jp/how-to-distinguish-304-stainless-steel-%EF%BC%88sus304%EF%BC%89and-202-stainless-steel%EF%BC%88sus202/)
- 鉄製部材・炭素鋼材と直接接触させない(木製パレットや樹脂製スペーサーで絶縁)
- 未使用品には防錆紙や樹脂フィルムで梱包し、切粉・鉄粉の付着を防ぐ
洗浄・表面処理の対策
- 塩素系洗剤の使用は避け、中性洗剤+水洗いを基本とする
- もらい錆が発生した場合は、シュウ酸系の錆取り剤(例:サンポール希釈液)や錆取りクリームで早期除去する cncmachining(https://cncmachining.jp/how-to-distinguish-304-stainless-steel-%EF%BC%88sus304%EF%BC%89and-202-stainless-steel%EF%BC%88sus202/)
- 加工後に酸洗(ピクリング)+不動態化処理を施すと、表面の不動態被膜が均一に再生され、耐食性が向上する
表面処理まで含めた管理が条件です。
塩素系洗剤の使用は禁物ですね。 加工直後の表面には鉄分汚染が残りやすいため、ウエスによる乾拭きだけでなく、洗浄まで実施するのが理想です。
これはあまり語られません。SUS202は国内よりも中国・東南アジアからの輸入品に多く含まれる鋼種であり、「SUS304」と表示されているにもかかわらず実際にはSUS202だったという材料詐称トラブルが、国内の製造現場で複数報告されています。 ameblo(https://ameblo.jp/toukyouwan2002/entry-11549032461.html)
意外ですね。
具体的には、輸入品の安価なステンレス管・板材で、納品後1〜2年で黒変・腐食が発生し、ユーザーからのクレームが相次いだという事例があります。成分分析の結果、Niが3〜4%しかなく、SUS202相当と判明するケースです。 金額にして製品交換・現場補修費用が数十万円規模になることもあり、選材コストケチることが最終的には大きな損失につながります。 ameblo(https://ameblo.jp/toukyouwan2002/entry-11549032461.html)
これは金額だけでなく顧客信頼も失うリスクです。
また、SUS202は食品加工機器や厨房器具などの用途に流用されることがあるため、腐食が進んだ場合、金属イオン溶出による衛生リスクにもつながります。 金属加工従事者として、納品先の用途を把握した上で適切な鋼種を選定・提案することが、クレームと損失の両方を防ぐ唯一の方法といえます。 ameblo(https://ameblo.jp/toukyouwan2002/entry-11549032461.html)
SUS202とSUS304は別素材と認識することが基本です。 輸入材を扱う際は、コスト優先の選材ではなく、ミルシートと用途環境のセットで判断する体制を現場に定着させてください。
参考:ステンレス鋼の種類・成分・耐食性についての基礎解説(ブロガー・専門家向け)
「ステンレス鋼なのになぜ錆が?」SUS202の特性と注意点|アメブロ技術系記事