「あなたのsncm220、熱処理順を間違えると3日分の加工がムダになります。」
sncm220はJIS規格で定義された低合金鋼で、主要元素はNi(ニッケル)0.4〜0.7%、Cr(クロム)0.4〜0.7%、Mo(モリブデン)0.15〜0.30%です。これらが組み合わさることで、高い靭性と抗張力を両立します。
つまり、工程条件を変えずに調質だけで性能を伸ばせる材料です。
同系統のsncm439より炭素量が低く、焼入れ性は劣るものの、被削性・溶接性が高いのが特徴です。φ30mm以下のシャフトやギヤなど中小径部品に向いています。
結論は、サイズと応力で材料選定を分けるのがコツです。
実際、硬度調整でHB280あたりを狙うと切削バランスが良く、工具寿命も1.5倍ほど伸びます。
つまり工程全体ではトータルコスト低減が見込めるということです。
焼入れ温度は約850℃、油冷または水冷し、焼戻しは150〜200℃で行うのが一般的です。焼戻し温度を下げすぎると靭性が落ち、クラック発生率が約2倍になります。
つまり、低温すぎる焼戻しは避けるべきです。
また、粗加工後に焼入れを行うと膨張収縮で歪みが出やすくなります。φ50mmのシャフトなら0.05mm程度の曲がりが出ることも。経験的には、焼入れ前に応力除去焼鈍(約650℃×2h)を入れると曲がりが3分の1に減少します。
つまり応力除去がトラブル防止の第一歩です。
引張強さは通常930〜1080N/mm²、伸びは13〜16%とバランス良好。切削抵抗はscm420比で約1.2倍あります。硬度上昇に伴い、切削溝の摩耗が早まるため、コーティング工具(TiAlN系など)の使用が推奨されます。
つまり工具寿命対策が必須です。
なお、旋削時の被削性指数は55〜65%程度と中間的。高送り加工より中速・低送りの方が仕上面が安定します。
加工油を変えるだけで寿命が20%改善する報告もあります。例えばENEOS製マシン油#120が良好です。
つまり、加工油の選択が利益を左右します。
scm440との違いはニッケル含有で、靭性と耐衝撃性が高いこと。sncm439とは焼入れ後硬度に差があり、用途で選定が分かれます。大径軸ならsncm439、小径シャフトならsncm220が基本です。
つまりサイズで判断が基本です。
コストはsncm220が約15%安く、素材在庫も安定。工期やロット管理ではこちらが有利な場面が多いです。
つまり費用対効果の良さが強みですね。
熱処理後の曲がりや硬度むらが多数報告されています。特に、油冷後の急冷ムラで芯硬度に差が出るケースが3割以上。
これは冷却槽温度差(±10℃)が影響します。温度均一化を確認するだけで不良率が半減します。
つまり、冷却管理が命です。
また、使用済み油の酸化によるスス混入が表面焼けを起こすことも。1,000Lあたり3ヶ月に1回の交換が理想です。交換を怠ると、後工程で再研磨コストが2万円以上増えます。
熱処理炉の校正も忘れずに。
このように、現場の工程一つでコストも品質も変わります。小さな管理で大きな差になります。
JFEスチール「SNCM220の特性と熱処理条件」公式データ
(成分値と熱処理硬さ範囲の参考に最適)