参考)【これだけは知っておきたい】めっきの種類や特徴、用途別の選定…
メッキの主目的は装飾・防錆・機能付与で、現場では「素材×環境×コスト」で亜鉛・ニッケル・クロム・銅などを使い分けるのが実務的だ。
特に鉄系の大量生産部品は亜鉛めっきが第一選択になりやすく、電食や赤さびの進展抑制に対してコスト効率が高い点が評価される。
装飾と下地整えにはニッケル、耐摩耗や摺動には硬質クロム、導電や後工程のはんだ・銀めっき下地には銅が王道構成だ。
| めっき | 主目的 | 代表的な厚み目安 | 用途例 |
|---|---|---|---|
| 亜鉛 | 防錆・犠牲防食 | 5~15 μm(用途で調整) | ボルト・板金・機械部品の量産防錆 |
| ニッケル | 外観・下地・耐食補強 | 5~20 μm(多層で増加) | 装飾下地・機械部品・樹脂上金属化 |
| クロム(硬質) | 硬度・耐摩耗・離型 | 5~30 μm(機能で最適化) | シャフト・金型・摺動部品 |
| 銅 | 導電・下地平滑化 | 5~20 μm(下地用途) | 電気接点・コネクタ・下地整え |
前処理では脱脂・酸洗い・陰極電解洗浄が基本で、ここでの表面活性化の巧拙が密着性・外観・ピンホール発生に直結する。
ただし酸洗いや陰極処理は水素吸蔵のリスクがあり、高強度鋼やばね鋼では水素脆性により遅れ破壊の危険が増すため工程設計が重要だ。
参考)めっきの水素脆性とは
参考)無電解ニッケルメッキの水素脆性対策は?
工程内での水素管理は「吸蔵を減らす」「早く抜く」の両輪が基本で、特に高強度鋼は検査タイミングも遅れ破壊を見据えた設計が必要になる。
参考)水素脆性とは?原因から対策までを徹底解説 - NISSHAエ…
JIS H 8502はめっきの耐食性試験を体系化し、NSS(中性塩水噴霧)・ASS・CASS・各種ガス試験・屋外暴露・サイクル試験などを規定している。
NSSは35℃、食塩50±5 g/L、pH6.5~7.2、噴霧量1.5±0.5 ml/80 cm²/hが標準条件で、連続噴霧下で腐食発生を評価する。
外部機関の短納期SST(48時間以内など)を活用すれば工程変更の効果検証も迅速化でき、JIS Z 2371・JIS H 8502準拠の受託試験が各自治体機関でも提供されている。
参考)中性塩水噴霧試験 48時間以内の試験 - 埼玉県産業技術総合…
六価クロムは強い毒性から規制が厳しく、産業界は三価クロムやクロムフリー処理への移行を進めてきた経緯がある。
一方で「めっき皮膜そのものの金属クロム」はWEEE/RoHSの規制対象ではなく、六価・三価いずれのプロセスでも最終皮膜が金属クロムなら規制上の扱いは同様という整理が実務で用いられている。
参考)https://electronics.zacros.co.jp/column/cat/fastening-film/161
環境対応は「サプライチェーン要求」と「最終外観・耐食要求」の両立が鍵で、前処理・皮膜厚・仕上げ(クロメート/パシベーション)の最適化が歩留まりにも効く。
亜鉛系ではZn-FeやZn-Niなどの合金めっきがあり、純亜鉛に比べ成形性や塗装後の防食で優位になるケースがある。
さらに上層に薄い電気合金めっきを重ねる「二層形めっき」は成形性・溶接性・耐食のバランスを取りやすく、用途適合での自由度が高いのが特長だ。
参考)https://www.jfe-steel.co.jp/products/usuita/catalog/b1j-004.pdf
参考)亜鉛めっき鋼板の種類と特長
この視点は上位検索の一般的な「種類・特徴」説明より一歩踏み込み、プレス・溶接・塗装まで一貫したプロセス指向のめっき選定に役立つはずだ・特徴」説明より一歩踏み込み、プレス・溶接・塗装まで一貫したプロセス指向のめっき選定に役立つはずだ。
参考)亜鉛めっき鋼板について専門家が解説!特徴や用途についてご紹介…