「SCR420は焼入れすれば強度が上がる」という思い込み、実はコストを2倍無駄にしています。
SCR420は浸炭深さが浅すぎると摩耗寿命が半減します。現場では0.5mm以下で止める例が多いですが、試験結果では1.0mm以上で平均耐摩耗回数が約2倍に増加しています。
つまり、単純な「硬さ重視」は間違いということですね。
熱処理炉の温度管理を自動化できる「温度プロファイル記録器」を利用すると、再現性が上がり歩留まり低下を防げます。
結論は、浸炭層深さの測定と管理が品質を決めるということです。
500℃以上で焼戻すと硬度がHRC45程度まで低下しますが、逆に靱性が約1.8倍向上します。硬度だけ見て「弱い」と判断するのは早計です。
つまり、用途次第では高温焼戻しの方が寿命が長いということです。
例として、トランスミッションギアでは高温焼戻しを採用して破損率が12%減少したというデータがあります。興味深いですね。
工具鋼とは違い、SCR420は「耐衝撃性重視」で使う場面が多いことを意識すべきです。
この鋼種は溶接熱影響部で硬化しやすく、割れ発生率が約8%と高めです。溶接後すぐに200〜250℃で応力除去焼鈍を行うと、リスクを80%以上抑えられます。
つまり、溶接直後の処理が鍵です。
応力除去のタイミングを記録できる「熱履歴ロガー」の導入も効果的です。コストは約2万円程度ですが、欠陥防止率を考えれば十分な投資です。
痛い目に遭う前に知っておくべきですね。
SCR420は表面硬化後の切削抵抗が通常の構造鋼の約1.6倍。工具摩耗が早く、工具寿命が平均で40%短くなります。
結論は、焼入れ後加工を極力避けるということです。
その対策として、切削前に「焼入れ代」を厚め(+0.3mm)に設けることで修正加工を減らせます。これだけ覚えておけばOKです。
また、SCR420専用超硬バイト(タンガロイ製:品番TAC60)は摩耗率を約25%低減可能です。現場でよく使われているため、交換時期目安として参考になります。
意外なことに、同じSCR420でもメーカーによって浸炭性が最大で15%違います。住友金属製よりも大同特殊鋼製の方がやや深く浸炭する傾向があります。
つまり、材料ロットによる性能差が思っているより大きいということです。
金属加工者が「材質名だけ」で熱処理条件を決めてしまうのは危険です。実験データを確認せずに一律設定すると、焼入れムラで月に3〜5個の不良品が出るケースもあります。
参考までに、ミルシートの化学成分欄に「Cr」「Ni」比率を見れば浸炭傾向を予測できます。いいことですね。
このリンクではSCR420の浸炭性と焼入れ組織に関する公式試験データが確認できます。