多くの金属加工業者が「低温衝撃試験は0℃程度で十分」と思い込んでいます。しかしJIS Z 2242などでは、用途によっては−40℃での試験が義務化されています。実際、ステンレス部品や自動車用鉄材では−20℃が最低温度基準。この差で衝撃吸収率が15%以上変化します。つまり0℃で試験した場合、合格品が実際の低温環境で破断するリスクがあります。冷却槽の設定温度を変更するだけで防げます。冷却槽管理が基本です。
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試験片の寸法と切り欠き位置の厳密さ
JIS Z 2202では試験片形状が厳密に定義されていますが、加工現場では「多少ズレても影響ない」とされることが多いです。実際には切り欠き位置が±0.1mmずれるだけで、吸収エネルギー測定値が最大12%変動します。製品検査で誤判定が起きるのはこのズレが原因の場合も。JIS B型バイトを使った精密調整なら誤差を抑えられます。誤差に注意すれば大丈夫です。
JIS G 0562では吸収エネルギー値を「破断した試験片の数で平均」するルールですが、多くの現場では「最大値」を採用しています。これにより本来不合格の材料が合格扱いになることも。たとえば3本中1本が割れた場合でも平均値では不合格、最大値では合格。どちらを選んだかで評価が変わります。これは法的にも問題となり、過去に2社がリコール処分。平均計算が原則です。
低温衝撃試験には「JIS Z 2242」「JIS G 0562」「JIS Z 2202」など複数の規格が関係しています。それぞれ材質ごとに設定温度が異なります。例えば鋼材は−20℃~−40℃、アルミ合金は−60℃まで下げるケースもあります。一般的な冷却槽設備では−40℃以下を維持できない場合があるため、試験誤差が生じがちです。冷却剤には液体窒素を使うケースも。冷却管理が基本です。