触針式粗さ計の長所と信頼性が高い理由を徹底解説

触針式粗さ計の長所とは何か?高精度・低コスト・穴内面測定など、金属加工現場で選ばれ続ける理由を詳しく解説。非接触式との違いも知りたくありませんか?

触針式粗さ計の長所を金属加工現場で最大限に活かす方法

非接触式の粗さ計を使っていても、客先への提出データは触針式でなければ受け付けてもらえないケースがあります。


この記事でわかる3つのポイント
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触針式粗さ計が「信頼性No.1」とされる根拠

JIS B 0601規格に直結しており、外部提出データとしての法的・商業的な裏付けがある唯一の測定方式です。

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導入・維持コストが非接触式の数分の1で済む理由

消耗品(触針)も含めた維持費が低く、現場導入のハードルが低い点が中小規模の金属加工業者に選ばれ続ける大きな要因です。

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穴の中・深溝など非接触式では不可能な測定ができる

光が届かない内径面や深い溝でも、触針が物理的に追従することで正確な粗さデータを取得できます。


触針式粗さ計の基本原理と金属加工における測定の仕組み


触針式粗さ計とは、先端が鋭利なダイヤモンド製(またはサファイヤ製)の触針を、ワーク表面に一定の荷重で押し当て、一定速度でなぞりながら表面の微細な凹凸を検出する測定器です。触針の先端が凹凸にしたがって上下に動き、その変位量を電気信号に変換して粗さ曲線を生成します。この粗さ曲線から、算術平均粗さ(Ra)や最大高さ(Rz)などの数値パラメータが算出されます。


触針の先端半径(rtip)は通常2μm・5μm・10μmの3種類が標準的で、円錐のテーパ角度は60°または90°が用いられます。一般に、先端半径が小さいほど微細な溝への追従性が高くなります。ただし、触針の先端Rより幅が狭い溝には物理的に入り込めないため、測定したい凹凸の形状に応じて適切な触針を選ぶことが重要です。


金属加工の現場では、旋盤加工面(Ra 0.8〜6.3μm)、研削加工面(Ra 0.2〜1.6μm)、ホーニング加工面(Ra 0.1〜0.8μm)など、加工方法ごとに要求される粗さレベルが異なります。いずれの場合も、触針式粗さ計はJIS B 0601(ISO 4287)規格に準拠した測定ができるため、品質保証書類への記載データとして広く認められています。これが基本です。


測定の手順としては、まずワークを固定して安定した測定環境を整えてから触針を静かに接触させ、一定速度でスキャンします。その後、触針の状態(摩耗・圧痕の有無)を確認するのが鉄則です。


参考:JIS B 0651に基づく触針式表面粗さ測定機の特性について、ミツトヨが詳しく解説しています。


ミツトヨ:表面粗さの基礎知識


触針式粗さ計の長所①:高精度で明瞭な形状波形が得られる理由

触針式粗さ計の最大の長所のひとつが、「明瞭な形状波形が得られること」です。物理的な接触によってワーク表面の凹凸を直接トレースするため、光の反射率や表面の色・光沢・透明度に左右されることがなく、安定した測定が可能です。


非接触式(レーザー式や白色干渉計など)は、表面の鏡面反射が強すぎる場合や、逆に黒色・マット系の表面で反射が弱い場合に、正確な測定ができないことがあります。対して触針式は、金属・プラスチック・樹脂・セラミックスなど幅広い材質に対応できます。これは使えそうですね。


また、触針式はJIS B 0651で機器特性が規格化されており、「触針の形状が同じであれば、どのメーカーの測定機を使っても、ほぼ同じ表面粗さの値が出る」という再現性の高さも大きな強みです。非接触式では、測定方式(共焦点レーザー・白色干渉など)や機器の設定によって測定値がメーカー間で一致しないことが珍しくありません。


具体的な精度の目安として、触針式の縦方向(高さ方向)の分解能は一般に0.001μm(1nm)レベルに達する機種も存在します。これは、厚さ0.001μmというと人の毛髪の直径(約70μm)の約7万分の1という極めて細かいレベルです。この高精度が、航空宇宙・医療・自動車など精密部品の品質保証に不可欠とされる理由です。


参考:キーエンスによる接触式表面粗さ計の長所・短所の詳細解説ページです。


キーエンス:接触式表面粗さ・形状測定機


触針式粗さ計の長所②:穴の内面・深溝でも測定できる唯一性

触針式粗さ計が非接触式に対して圧倒的に優れているポイントのひとつが、「穴の内面や深い溝でも測定できること」です。光学式や白色干渉計は、光が届かない箇所・光が対物レンズに戻ってこない急峻な側面では測定が成立しません。触針式では、触針そのものが物理的にアクセスできる限り、凹凸を追従することが可能です。


たとえば、シリンダー内面やボア穴の内径粗さ管理は、自動車部品や油圧部品において非常に重要な工程です。これらの内径面は、エンジンのシリンダーライナーであれば内径50〜100mm程度、油圧バルブのスプール穴であれば内径10〜30mm程度のものが多く、光学式では対物レンズが物理的に入らない場合があります。触針式では、専用の内径測定用アームや小型検出器を使うことで、こうした箇所の表面粗さをRa値として定量的に取得できます。


💡 内径測定では、専用の「内径測定アタッチメント」や「スモールフォース検出器」を取り付けられる機種を選ぶことが重要です。ミツトヨの「SJ-410」シリーズなど、アタッチメントの種類が豊富な機種を確認しておくと選定の幅が広がります。


また、光学式検出器の限界として、光の波長(0.3〜0.6μm程度)より狭い溝幅(約0.5μm以下)には光を絞り込むことができないという物理的な制約があります。触針式であれば先端半径2μmの触針を用いることで、約4μm以上の溝幅であれば追従できます。つまり細溝の粗さ評価には触針式が原則です。


触針式粗さ計の長所③:JIS規格準拠の信頼性と外部提出データへの対応

金属加工業において、客先や外部機関へ表面粗さのデータを提出する場面では、触針式粗さ計で測定した値が「基準値」として求められることがほとんどです。なぜなら、JIS B 0601(ISO 4287)という表面粗さの主要規格が、接触式(触針式)での評価を前提として構築されているからです。


一方、非接触式の三次元表面性状に対応する規格はISO 25178ですが、こちらはJIS B 0601とは別の体系であり、まだ産業現場への普及が限定的な分野も多くあります。硬い金属部品の品質保証書類として、JIS規格に準拠した信頼性の高い数値が必要な場面では、接触式が第一の選択肢となります。


つまり「非接触式で測定した値=そのまま客先に出せる」とは限らないということです。


参考:触針式表面粗さ測定機の校正について、JQAの詳細説明ページです。



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