あなたの測定条件ズレで年間50万円損します
孔食電位測定は、主にステンレス鋼の耐孔食性を評価する電気化学試験です。JISでは代表的に「JIS G 0577(ステンレス鋼の孔食電位測定方法)」が使われます。電位を徐々に上げていき、急激に電流が増える点を孔食電位として読み取ります。つまり腐食が始まる瞬間です。
ここで重要なのが掃引速度で、例えば\(20 \sim 50 \, mV/min\)程度が標準的です。速すぎると見逃し、遅すぎると過大評価になります。ここが落とし穴です。
さらに試験溶液は3.5%NaCl(海水相当)が多く、温度は30℃前後で管理されます。条件が違うと結果は平気で100mV以上ズレます。つまり別物です。
測定機器はポテンショスタットを使い、参照電極はAg/AgClが一般的です。ここを統一しないと比較できません。比較不能になります。
孔食電位は「高いほど耐食性が高い」というシンプルな指標です。例えばSUS304で\(+200 \sim +300 \, mV\)、SUS316で\(+300 \sim +400 \, mV\)程度が目安です。数字で判断できます。
ただしこの数値、絶対評価ではありません。環境依存です。例えば塩濃度が2倍になると、孔食電位が100mV以上低下するケースもあります。意外ですね。
また加工履歴も影響します。冷間加工材は内部応力により、同じ材質でも50〜150mV低下することがあります。ここは見落としがちです。
つまり材料名だけで判断すると危険です。結論は条件込みで評価です。
加工後の表面状態は結果に直結します。特に研磨状態が重要で、#400と#800では結果が変わります。最大で約80mV差です。これは大きいです。
理由は表面粗さです。粗いほど局部電池ができやすく、孔食が始まりやすくなります。つまり劣化して見えるのです。
さらに脱脂不足もNGです。油分が残ると一時的に耐食性が高く見えることがあります。これは誤判定です。
このリスクの対策として、前処理ばらつきを防ぐ目的なら「自動研磨機の使用→作業者差排除→再現性確保」の流れで設備導入を検討するのが現実的です。ここが安定します。
現場で多いミスは「温度未管理」です。例えば室温任せで測ると、夏冬で結果が100mV以上ズレます。これは別判定です。
その結果どうなるか。耐食OKのはずがNG判定され、再加工や廃棄で数十万円の損失が出るケースがあります。痛いですね。
逆に危険なのは過大評価です。実際は弱いのにOKと判断し、納入後に孔食クレームが発生します。1件で信用低下です。
つまり測定は品質保証そのものです。〇〇が基本です。
意外と見落とされるのが「測定ログの蓄積」です。同じ材質でもロット差があります。データで見えます。
例えば100ロット分のデータを取ると、孔食電位のばらつき幅(±50mVなど)が見えてきます。これが基準設定に使えます。これは使えそうです。
さらに異常検知にも使えます。普段より100mV低ければ即異常と判断できます。早期発見です。
この運用の狙いは判断の自動化です。Excelや簡易DBでも十分です。まず記録するだけでOKです。
参考:JIS G 0577の概要と試験条件が確認できる
https://www.jisc.go.jp/