あなたのalcrnコーティング、実は削りすぎるほど寿命が縮んでいます。
AlCrNは、AlとCrを含むナイトライド系皮膜で、高熱耐性と硬度を両立しています。
一方、TiAlNは複合材質ですが、熱安定性は800℃付近で限界が来ます。
このためコバルト系ハイスエンドミルや超硬ドリルでは、AlCrNを選ぶことで工具寿命が平均1.5〜2倍向上する事例もあります。
つまり、高温環境下での安定性が最大の魅力ということですね。
多くの現場では「蒔けば効く」と思われがちですが、これは部分的な誤解です。
切削速度が60m/min以下の低速加工では、表面温度が安定せず、酸化層がムラになります。
結果として、1時間以内に摩耗が進み、寿命が半減する例も確認されています。
つまり、AlCrNを効果的に使うには「熱を生かす」設定が基本です。
低速で使うならTiAlNの方が安定ということですね。
再研磨が難しいという指摘もあります。これは事実です。
AlCrN膜は硬度が高く、再研削時にエッジのチッピングが出やすい特性があります。
再コーティングしても密着率が平均70%程度に留まることが多く、寿命延長率は1.2倍前後が限界です。
つまり、寿命延長は物理的には限定的ということですね。
一度のコーティングで最大効果を出す条件設定が肝になります。
高速加工を行う場合、切削速度100〜250m/min、送り量0.1〜0.2mm/revが目安です。
この範囲なら熱安定性が最大化され、膜剥離が起こりにくくなります。
また、非鉄材(アルミ・銅)よりも高硬度鋼(HRC45〜60)で効果が大きく、仕上面粗さもRa0.2μm以下に収まることが多いです。
つまり、適材適所が前提ということです。
加工機の剛性とクーラント条件も見直すべきですね。
意外ですが、湿式加工ではAlCrNが逆効果になることがあります。
理由は、クーラントとの温度衝撃で酸化膜が繰り返し収縮し、マイクロクラックが入るためです。
ある自動車部品メーカーでは、クーラント停止+エアブロー併用へ切り替えたところ、寿命が2.3倍になりました。
つまり、冷却を「やめたほうが長持ちする」ケースもあるんです。
これは現場で試す価値がありますね。
この現象の技術解説が詳しい
OSG公式サイト:コーティング技術資料
また、AlCrN皮膜の酸化安定性についての実験データは
三菱マテリアル 工具技術情報
さらに、実際の切削条件と摩耗試験の比較表は
住友電工 ハードメタルの技術ページ