あなたのチップ選びで寿命3倍損します
スローアウェイバイトの種類は、まずチップ形状で大きく分かれます。代表的なのは三角形(T)、四角形(S)、菱形(C・D)、円形(R)などです。例えば菱形55°チップは汎用性が高く、外径加工でよく使われます。一方、円形チップは切れ刃強度が高く、荒加工で威力を発揮します。つまり形状で用途が決まります。
形状ごとの特徴を整理すると以下の通りです。
・三角形:コーナー数が多くコスパ重視
・四角形:安定性が高く重切削向き
・菱形:バランス型で最も汎用的
・円形:強度最強で難削材に強い
ここで重要なのは、コーナー数=コストではない点です。例えば三角形は3コーナーですが、欠けやすく交換頻度が増えるケースもあります。結論は用途優先です。
チップ材質は主に超硬合金、サーメット、セラミック、CBNの4系統です。それぞれ耐熱性や耐摩耗性が異なり、加工対象で使い分けます。例えば一般鋼なら超硬合金、仕上げならサーメットが定番です。CBNは焼入れ鋼(HRC60以上)に使われます。ここが重要です。
具体的な違いは次の通りです。
・超硬:汎用性が高く価格も安定
・サーメット:仕上げ面が美しい
・セラミック:高温でも性能維持
・CBN:硬い材料専用で高価
価格差は大きいです。例えば超硬チップが1枚500円程度に対し、CBNは1枚5000円以上になることもあります。しかし適材適所なら加工時間が半分になることもあります。つまり材質が利益に直結します。
見落とされがちなのがコーティングです。TiN、TiAlN、Al2O3などの被膜によって寿命が大きく変わります。例えばTiAlNコーティングは耐熱性が高く、高速切削に向いています。これを知らずに低速用チップを使うと摩耗が早くなります。ここは盲点です。
実際、同じ母材でもコーティング違いで寿命が2倍以上変わるケースは珍しくありません。特にS45Cの連続加工では差が顕著です。つまりコーティング選定も重要です。
加工条件との関係も重要です。高送り加工では耐欠損性、低速では耐摩耗性が重視されます。条件に合わせるだけです。
チップ型番には意味があります。例えば「CNMG120408」という型番は、形状・逃げ角・精度・サイズなどを表しています。数字の「12」はチップサイズ、「04」は厚み、「08」はノーズR(0.8mm)です。これを理解すると選定が一気に楽になります。覚える価値ありです。
ISO規格を理解するメリットは大きいです。メーカーが違っても互換性のあるチップを選べます。例えば三菱と京セラで同規格なら代替可能です。これはコスト削減に直結します。つまり規格理解が武器です。
参考:ISOチップ規格の詳細解説(型番の意味が整理されている)
https://www.mitsubishicarbide.com/jp/technical_information/turning_tools
現場で見落とされがちなのが「1加工あたりコスト」です。チップ単価ではなく、1個の製品を作るのにいくらかかるかで判断します。例えば安いチップで1個10円、高いチップで1個7円なら後者が正解です。これは重要です。
さらに段取り時間も考慮すべきです。チップ交換に1回3分かかると、1日10回で30分ロスになります。これを時給3000円で換算すると1500円の損失です。意外ですね。
このリスクを減らす場面では、寿命安定が狙いになります。そのための候補は「メーカー推奨材種を確認する」です。1回確認するだけです。
最終的には「安い=正解ではない」です。トータルコストが基準です。結論はここです。