あなたのナイタール濃度5%固定は腐食で再研磨3時間損です

ナイタールは、硝酸とアルコールを混合するだけのシンプルなエッチング液です。一般的には硝酸1〜5%に対してエタノールまたはメタノール95〜99%で構成されます。たとえば100ml作る場合、硝酸2ml+アルコール98mlのような配合です。つまり基本は低濃度です。
濃度が高いほど強く腐食すると思われがちですが、実際は観察目的に応じて変える必要があります。低炭素鋼なら1〜3%、焼入れ鋼なら3〜5%が目安です。結論は用途別です。
混合時は必ずアルコール側に硝酸を少量ずつ加えます。逆にすると発熱や飛散の危険があります。これは重要です。
濃度によって観察結果は大きく変わります。1%ではゆっくり反応し、結晶粒界が穏やかに浮き上がります。一方で5%では数秒で強く反応し、黒く潰れたような像になることがあります。ここが分岐点です。
例えば同じ試料でも、1%で10秒処理と5%で3秒処理では全く違う像になります。前者は粒界明瞭、後者は過腐食です。つまり時間と濃度のバランスです。
過腐食すると再研磨が必要になり、1回あたり30分〜1時間のロスが出ます。これが積み重なると大きいですね。時間損失です。
ナイタールは危険物です。硝酸は強酸であり、皮膚や目に対して強い腐食性があります。濃度が低くても油断は禁物です。安全第一です。
作業時は以下を徹底します。
・保護メガネ着用
・耐薬品手袋使用
・換気の良い場所で作業
硝酸蒸気を吸うと健康被害につながるため、ドラフト内作業が理想です。これが原則です。
廃液も注意が必要です。中和せず排水すると法令違反になる可能性があります。ここは重要です。
参考:薬品安全データの基本
https://www.nite.go.jp/chem/chrip/chrip_search/systemTop
エッチング時間は数秒〜数十秒が一般的です。温度も影響します。温度が高いと反応が早くなり、過腐食になりやすいです。ここがポイントです。
例えば室温20℃と30℃では反応速度が体感で1.5倍ほど変わります。同じ時間でも結果が変わるのです。つまり環境依存です。
時間管理はストップウォッチで行うのが確実です。目視判断だけに頼るとバラつきが出ます。再現性が重要です。
よくある失敗は「とりあえず5%でやる」です。これにより過腐食→再研磨→再エッチングのループに入ります。これは無駄です。
再研磨1回あたり砥紙消耗や人件費を含めると数百円〜1000円程度のコストがかかります。1日10回ミスすると1万円規模です。痛いですね。
このリスク回避には、初回は1〜2%でテストするのが有効です。狙いは過腐食防止です。試験片で確認するだけで大幅にロス削減できます。これが基本です。