「逆ひずみを多めにかけるほど仕上がりが良くなる」と思っているなら危険です。実は逆ひずみ角度を5度超えると、補修費が1.8倍に跳ね上がるんです。
3Dシミュレーションを使えば、収縮変形を数値で予測できます。最近では溶接専用CAEソフト「JW-CAD溶接拡張」などで逆ひずみ補償を可視化できます。実測時の誤差は約±0.3mmに抑えられます。精度を可視化できるのは大きな利点です。つまり事前シミュレーションが基本です。
参考リンク(逆ひずみ法のシミュレーション精度検証について):
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冶具が逆ひずみ角度を安定させる鍵です。特に「可動クランプ型冶具」は、小型金属試験片で反りを40%減少させた実験結果があります。冶具を固定ではなく可動式にするだけで冷却収縮時の応力分散がスムーズになります。いいことですね。つまり冶具精度が条件です。
参考リンク(冶具設計と溶接変形抑制に関する資料):
社団法人日本溶接協会 技術資料
「逆ひずみ法」と「熱歪み補正」は似ていますが、目的が違います。逆ひずみ法は溶接前に力で変形を予防する手法、熱歪み補正は溶接後に加熱して修正する手法です。たとえば、厚板10mmで逆ひずみ角度を5度つけると、熱補正作業が半分に減るデータもあります。ただしどちらも乱用は禁物です。つまり事前調整が基本です。
参考リンク(溶接後熱処理と歪み補正の比較):
海事・鉄鋼技術研究所報告書
新任作業員が「多めに曲げれば歪まない」と考えがちですが、逆です。補正角度を大きくすると、収縮後に曲げ戻しが過剰になり、再矯正で時間が30分以上余分にかかります。年間で約60時間の労働損失に換算されます。痛いですね。結論は調整量を数値で記録することです。
参考リンク(溶接の教育と技能基準について):
職業能力開発機構 JEED 技能資料