対称反射法で測ると残留応力が2倍ズレることがあります

x線回折の対称反射法は、入射角と反射角が等しい条件で結晶面の間隔を測定する手法です。基本はブラッグの法則 \(2d\sin\theta = n\lambda\) に従います。ここで\(d\)は格子間隔、\(\theta\)は入射角です。
つまり回折角から内部構造が分かります。つまり結晶情報の取得です。
例えば鉄鋼材料では、\(2\theta\)が約44.7度付近にピークが出ます。このピーク位置が0.1度ズレるだけで、応力換算では数十MPaの誤差になります。かなり敏感です。
対称反射法は表面から数μm程度の情報を取得するため、加工後の状態評価に向いています。研削やショットピーニング後の評価に使われます。現場では非常に一般的です。
ただし前提があります。平坦であることです。〇〇が条件です。
対称反射法で最も多いミスは「表面状態を軽視すること」です。表面粗さRaが1μmを超えると、回折ピークが広がり、応力値が最大30%ズレるケースがあります。
これは測定スポット内で入射角がバラつくためです。角度が揃いません。これが原因です。
さらに試料の傾きが0.5度あるだけで、応力値が2倍近く誤差を持つこともあります。現場ではバイス固定のズレがよく起きます。ここは盲点です。
つまり精度は条件依存です。結論は条件管理です。
このリスクを避ける場面では、測定前の水平出し→誤差低減→デジタル傾斜計の使用が有効です。1回測るだけで再現性が安定します。
残留応力測定ではsin²ψ法がよく使われます。これは傾斜角ψを変えて回折角の変化を追う方法です。
例えばψ角を±30度まで振ると、応力分布が直線として現れます。この傾きから応力を算出します。シンプルな方法です。
ただし対称反射法では「表面応力しか見えない」という制約があります。深さ10μm以下です。深部は見えません。
つまり表面限定です。これが原則です。
焼入れ材やコーティング材では、内部応力と乖離するケースがあります。ここで判断を誤ると、不良解析を間違えます。痛いですね。
このズレを防ぐ場面では、深さ方向の評価→内部応力把握→電解研磨による層除去測定が有効です。段階的に削って測るだけです。
装置の校正は軽視されがちですが、ここで精度が決まります。標準試料(SiやLaB6)を使った校正を月1回行うだけで、角度誤差を0.02度以内に抑えられます。
逆に未校正だとどうなるか。応力値で100MPa以上ズレることがあります。かなり危険です。
またX線管の劣化も影響します。出力が10%低下するとピーク検出精度が落ちます。見逃しが増えます。
つまり定期管理が必須です。〇〇は必須です。
この問題を防ぐ場面では、装置精度維持→安定測定→メーカー保守契約の活用が有効です。年1回の点検で十分です。
参考:装置校正と標準試料の解説
https://www.rigaku.com/ja/products/xrd
現場でありがちなNGは「加工直後にそのまま測る」ことです。切削油や酸化皮膜が残っていると、ピーク位置がズレます。最大で0.2度です。
これを応力換算すると約80MPaの誤差です。かなり大きいです。
またショットピーニング後は表面が荒れるため、対称反射法だけで評価すると過小評価になることがあります。これはよく起きます。
つまり前処理が重要です。ここが基本です。
このリスクを避ける場面では、表面状態改善→測定精度向上→軽い研磨または洗浄処理が有効です。1工程追加するだけです。
さらにコスト面でも影響があります。誤測定による再検査は1件あたり数万円〜10万円程度のロスになるケースもあります。無視できません。
つまり測定前の一手間が利益を守ります。意外ですね。