割り出し精度が「4秒」の機械でも、ワーク半径が大きければ誤差は0.02mm近くに膨らみます。

カタログに「割り出し精度:4秒」と書いてあっても、それが現場でどのくらいの寸法誤差になるのかをすぐに計算できる方は、意外と少ないのではないでしょうか。「秒(")」は角度の単位であり、1度を3,600等分した大きさです。つまり1秒は、角度にして約0.000278度という非常に微小な値です。
しかし、この「秒」は回転軸からの距離(半径)によって、実際の加工誤差の大きさが大きく変わります。そこが重要なポイントです。
換算式はシンプルで、以下の通りです。
| 割り出し精度 | ワーク半径50mm | ワーク半径200mm | ワーク半径500mm |
|---|---|---|---|
| 1秒 | 約0.24 µm | 約0.97 µm | 約2.4 µm |
| 4秒 | 約0.97 µm | 約3.9 µm | 約9.7 µm |
| 10秒 | 約2.4 µm | 約9.7 µm | 約24.2 µm |
| 30秒 | 約7.3 µm | 約29 µm | 約73 µm |
例として、半径500mmのワーク(B5判より少し大きい程度の円弧半径)に対して割り出し精度10秒の機械を使った場合、加工点での誤差は約24µm=0.024mmになります。一般的な部品加工の公差が±0.01~0.05mmであることを考えると、ワークが大きいほど「秒」の値が精度の合否を直接左右することがわかります。
つまり「4秒で十分」かどうかは、ワークの大きさで決まるということですね。
小さな部品(半径50mm以下)ならば、10秒クラスの機械でも十分な精度を確保できることも多いです。一方で、半径300mmを超えるような大径ワークを高精度に仕上げたい場合は、カタログ値で「秒一桁台」の機械を選ぶことが条件になります。
参考:ハイデンハイン社による回転軸の位置決め精度と5軸加工精度の関係についての技術資料。半径0.5mで誤差が20µmに相当するケースが詳しく解説されています。
ハイデンハイン:回転軸の位置決め精度 技術情報PDF(日本語)
割り出し精度の仕様書には、「累積精度」と「繰り返し精度」という2種類の数値が記載されていることがあります。この2つを混同すると、機械選定で思わぬ失敗をすることになります。
累積精度(または累積割出精度)とは、テーブルが1回転する間に発生するすべての角度誤差を含んだ最大値のことです。ユキワ精工のCNCロータリーテーブルのカタログには「テーブル1回転360°において±35秒から±25秒の範囲」という表記があります。これは、どこへ位置決めしても誤差がこの範囲に収まることを意味しています。
一方、繰り返し精度(または繰り返し割出精度)とは、同じ角度へ何度アプローチしても毎回同じ位置に止まれるかどうかを示す数値です。こちらは「±4秒」のように、累積精度よりもはるかに小さな値になる場合が多いです。これが小さければ小さいほど、ロット加工でのバラつきが少なくなります。
現場での使い方によってどちらを重視するかが変わります。
繰り返し精度が条件です。量産加工でこの数値を見落とすと、ロット内でのバラつきが検査で引っかかる原因になります。
また、測定規格として「ISO 230-2」および「ISO 230-3」(日本規格ではJIS B 6190)があります。メーカーのカタログに記載されている割り出し精度の値が、どの規格に基づいて測定されたものかを確認することも大切です。規格が違うと、比較できない場合があります。
参考:ユキワ精工のCNCロータリーテーブル総合カタログ。累積割出精度と繰り返し精度の両方の数値が機種ごとに記載されています。
ユキワ精工:CNC円テーブル・割出台 総合カタログ(PDF)
「カタログ値では4秒のはずなのに、長時間加工すると精度が安定しない」という現象に悩んでいる現場は少なくありません。その原因の多くが熱変位です。
ハイデンハインの技術資料によると、サーボモータ+ウォームギアによるセミクローズドループ制御を行うロータリーテーブルでは、繰り返し運転による発熱が蓄積すると、約10分間にわたって最大8秒もの位置誤差が発生することが確認されています。半径500mmのワークではこれが約20µm(0.02mm)の寸法誤差につながります。
熱変位が加工精度に影響する主な場面は以下の3つです。

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