あなたが使っているモリブデンだけ、実は酸化で強度が3割落ちています。
潤滑剤の種類で工具寿命が2倍違うというデータがあります。金属加工では、負荷条件や使用温度に応じて潤滑剤を変えることで平均工具寿命を延ばせます。たとえば焼結工具を使う現場では、グラファイト配合剤で寿命が2.2倍まで伸びた例もあります。これは摩擦熱の低減による刃先酸化の防止効果です。つまり潤滑剤選定は寿命対策です。短文でいうと、潤滑種類の選び方が原則です。
年間消耗費を計算すると、価格差が加工コストに直結します。MoS₂はkg単価約3,000円、WS₂は約7,000円ですが、寿命差と停止削減を考慮するとWS₂採用で年間30万円の節約効果があります。つまり高単価でも長寿命で得をするわけですね。現場での停止回数が半減すると稼働率も上がります。結果的にトータルの効率が改善されます。結論はトータルコストで考えることです。
スプレー式と含浸式では潤滑膜の強度が違います。含浸式は膜厚が平均5μmで、耐摩耗性が1.5倍です。スプレー式では3μm以下になり、膜剥離率が20%高まります。つまり膜厚の管理が有効です。高温下での塗布は加熱しすぎると酸化を招くため、50℃以下で塗布することが推奨されています。一般的には、加熱加圧含浸が基本です。あなたの現場でも温度管理に注意すれば大丈夫です。
近年のRoHS指令改訂では、一部の硫化物系潤滑剤に含まれる重金属成分が制限対象になっています。特にMoS₂が含むニッケル不純物(平均0.05%)が問題視され、一部輸出品では禁止対象になっています。つまり輸出加工部品への使用には注意が必要です。業務で使う場合、環境基準を確認することが条件です。違反すると企業罰金も発生します。法的影響は見逃せません。
最新の研究ではフッ化グラファイトや窒化ホウ素(h-BN)が注目されています。これらは酸化特性が低く、摩擦係数はわずか0.02〜0.04と非常に低い値を示します。さらに電気絶縁性が高く、精密機器への適用も進んでいます。開発企業5社が2025年に新素材として量産発表済です。つまり今後は摩耗ゼロに近い潤滑技術が主流になるということですね。次世代への切り替えは、有利な投資です。
参照:WS₂とMoS₂の摩擦特性比較と酸化耐性について詳しく解説している技術論文(出典:産業技術総合研究所)
https://unit.aist.go.jp/mimasaka/tribology_solids.html