あなたの脱脂剤、実は40℃を超えると逆に油が固着します。
金属加工現場で定番のシリコンオフですが、車の塗装下地に使う場合は注意が必要です。溶剤成分の約40%が再揮発性で、拭き取りが不十分だと塗膜下に残留します。その結果、翌日の塗布時に油ジミのようなムラが発生する事例が多いです。拭き上げは必ず2回行い、クロスは一度使った面を再使用しないのが原則です。
これで拭きムラは防げます。
金属加工工程では、アルカリ洗浄が脱脂の主流です。ただし、液温が高いほど効果的というのは誤解です。例えば、液温を60℃に設定すると、エマルジョン化した切削油が逆に再沈着し、表面洗浄度が20%低下するデータがあります。適温は35〜40℃です。この範囲なら効率と安全性のバランスが取れます。
適温管理がポイントです。
IPA(イソプロピルアルコール)だけでは金属表面の油膜を完全に落とせません。実験では、IPA単独では除去率が約70%、界面活性剤を0.5%添加すると95%に上昇しています。界面活性剤は静電気防止にも効果的ですが、使用後は必ず純水リンスを行いましょう。放置すると白化や錆の原因になります。
混合比の管理が重要です。
最近では、車補修業界でも電解脱脂が注目されています。電流密度2A/㎡で約5分間処理することで、溶剤なしで油分98%除去という報告もあります。特に環境対応を求められる加工業者にとっては、VOC(揮発性有機化合物)削減にもつながります。設備導入コストは高いものの、年間の薬剤費を30%削減できる例もあります。
長期的にはコスト減になります。
脱脂後に再汚染する最大の原因は、作業者の手袋と空気中の油ミストです。特に研磨ラインの近くで脱脂したパーツを放置すると、わずか30分で再付着が始まります。現場では、処理直後にクリーン布で覆い、60分以内に塗装へ移ることが推奨されています。再汚染を防ぐには「脱脂の後」こそ工程管理がカギです。
再汚染防止が肝心です。
高温脱脂や界面活性剤の管理に関して詳しいデータはこちらの研究資料が参考になります。
JST:金属表面処理における脱脂効果の研究