あなたの設定が高すぎると1本2万円のエンドミルを1時間で焼き潰します。
スピンドル回転数と送り速度(feed rate)はセットで考える必要があります。どちらか一方を上げすぎると切削抵抗が急増し、工具破損のリスクが跳ね上がります。
例えば、回転数を10%上げるだけで送り速度を2〜3%落とさないと工具負荷が同じになりません。現場で10,000rpmから11,000rpmへ変更した際、送りを維持したまま加工した結果、工具寿命が1/3に短縮した事例もあります。
適正バランスを保つには、加工材質と工具径から「理論切削速度」を算出することが基本です。これが原則です。
実際の加工中には、切削音を聞くだけで回転数の適否を判断できる場合もあります。異常に高音が響くときは、過回転や工具の振動が発生しているサインです。
逆に音が鈍くなる場合は、低回転過ぎて刃が材料をうまく切れていない可能性があります。音は現場で使える最速の診断ツールです。
音の違いだけ覚えておけばOKです。
回転数が高いほど加工時間は短縮されますが、それに比例して消費電力が増加します。横型マシニングセンタでは、回転数を1,500rpm増やすと約8%電力消費が上がるという統計もあります。
電力コストが年間20万円上がることも珍しくありません。高回転は効率的ですが、コスト計算を忘れてはいけません。
つまり「速い=安い」ではないということです。
数値上はいくらでも回転数を上げられますが、工作機械の剛性には限界があります。特に古い装置では7,000rpmを超えると微細な振動が発生し、精度誤差が平均で±0.02mm生じます。
それが「寸法不良」や「クレーム」につながる原因です。振動の抑制には、バランス取り済み工具や高剛性ホルダーを使うのが近道。測定器で振動値を確認するだけでも効果大です。
振動に注意すれば大丈夫です。
三菱マテリアル公式サイト:スピンドル回転数と切削基礎講座
このリンクでは、回転数設定の具体的な計算例と加工材ごとの推奨条件が詳しく紹介されています。