mems加工受託の流れと依頼前に知るべき基礎知識

MEMS加工の受託を検討している金属加工従事者向けに、プロセスの基本から依頼時の注意点、ファンドリ選びのポイントまで徹底解説。試作1枚からの対応や市場の成長性も紹介します。受託先を選ぶ前に確認すべきことは何でしょうか?

mems加工・受託の基礎と依頼の流れ

あなたが慣れ親しんだ金属切削の感覚で発注すると、MEMS加工では試作1枚分の費用だけで数十万円を超えることがあります。


この記事でわかること
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MEMSとは何か・金属加工との違い

シリコン基板上に電子回路と機械構造を一体化した微小デバイス。加工精度はサブミクロン〜ナノオーダーで、従来の金属切削とは根本的に異なります。

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受託加工(ファンドリ)の基本プロセス

成膜→フォトリソグラフィ→エッチング→ウェハ接合→ダイシングという前工程を繰り返す流れ。1枚からの試作対応も可能なファンドリが増えています。

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依頼前に確認すべきポイント

ウェハサイズ・対応プロセス・ロット数・IP管理の方針など、受託先を選ぶ際の具体的なチェック項目を整理します。


mems加工の基本構造と金属加工との根本的な違い


MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)とは「微小電子機械システム」と訳され、シリコン・ガラス・有機材料などの基板上に、センサ・アクチュエータ・電子回路をミクロンレベルで一体化したデバイスです。スマートフォン1台に20個以上が搭載されていると言われており、加速度センサ・ジャイロ・マイク・圧力センサなどがその代表例です。


金属加工に携わっていると、「マイクロメートルで切る」という発想には慣れているかもしれません。しかしMEMSの加工精度はその1,000分の1にあたるサブミクロン〜ナノオーダーで、加工の根本的な手法も全く異なります。


金属切削では刃物を当てて素材を削りますが、MEMSでは「引き算と足し算」を交互に繰り返します。具体的には以下の工程がセットで何度も繰り返されます。










工程名 概要 金属加工との違い
成膜 CVD・スパッタ法でシリコン酸化膜や金属膜を堆積 「材料を積む」概念は金属溶射に近いが精度が桁違い
フォトリソグラフィ 感光樹脂(レジスト)に紫外線でパターンを転写 写真の現像に相当するプロセス、機械加工には存在しない
エッチング ガスや薬液で不要部を除去(ドライ・ウェット) 「化学的に削る」であり切削工具は使わない
ウェハ接合 シリコン同士・ガラスとシリコンを直接接合または陽極接合 溶接ではなく分子間力や電圧による接合
ダイシング 回転刃・レーザーでウェハをチップに切断 MEMSは内部構造破損をぐためステルスダイシングが主流


つまりMEMS加工は「半導体の製造ライン」を使って立体的な微小機械を作る技術です。金属加工従事者にとっては、設備・材料・単位系・品質基準のすべてが異なる世界と理解しておくことが重要になります。


Deep-RIE(深堀反応性イオンエッチング)では、幅2μm・深さ50μm(東京スカイツリーを500分の1に縮めたような縦横比)の溝を垂直に掘ることも可能です。これが「高アスペクト比加工」と呼ばれるMEMSの強みです。


参考:MEMSの製造工程を図解付きで解説(ミネベアミツミ製品サイト)
https://product.minebeamitsumi.com/tech/mems/about/process.html


mems加工受託の市場背景と今が注目される理由

MEMSの世界市場規模は2025年時点で約175〜182億米ドルと試算されており、2030年までにCAGR約7〜8%で成長する見通しです。日本円換算で約2.5〜2.7兆円規模の市場です。


成長を引っ張っているのは主に3つの需要です。


- **自動車向け**:EVシフトに伴うADAS(先進運転支援システム)向けの圧力センサ・加速度センサ・ガスセンサの需要が急拡大しています。
- **医療・ヘルスケア向け**:マイクロ流路デバイスや体内埋め込み型センサとして活用が進んでいます。2025〜2032年のCAGRは5.4%と予測されています。
- **IoT・スマートデバイス向け**:スマートウォッチなどウェアラブル端末のさらなる小型化に伴い、0.12平方mmまで縮小したMEMS加速度センサの需要が急増しています。


これは金属加工業界にとって、何を意味するのでしょうか?


自社で設備を持つことなく受託加工会社(ファンドリ)を活用することで、設備投資ゼロでMEMS分野のサプライチェーンに参入できる時代になっています。事実、国内でも「試作1枚対応」から「12インチウェハの量産ライン」まで幅広く受託するファンドリが増えており、先進的な金属加工会社が受託パートナーとして連携するケースが出始めています。


市場は拡大している一方で、MEMS専門のファンドリはまだ少ない状況です。これが条件です。


参考:MEMSセンサー市場規模レポート(グローバルインフォメーション)
https://www.gii.co.jp/report/moi1851092-mems-market-share-analysis-industry-trends.html


mems加工受託の主なプロセスメニューと依頼できる工程

MEMS加工の受託では、「全工程一括」から「単工程のみ」まで柔軟に依頼できる点が大きな特徴です。これは問題ありません。


国内外のMEMSファンドリが対応しているプロセスメニューは、以下のように整理できます。












カテゴリ 主な処理内容 代表的な対応例
成膜・蒸着 スパッタリング・PECVD・LPCVD・熱酸化 Al、Ti、TiN、SiO2、SiN、Poly-Siなど
リソグラフィ ステッパー露光・コンタクトアライナー・EB露光 解像度0.8μm〜数μm、両面アライナー対応
エッチング DRIE・ドライエッチング・KOHウェットエッチング 深さ20〜数100μmの縦穴形成も可
メッキ Cu・Ni・Auの電界メッキ Cu ピラー・半田バンプ形成
ウェハ接合 陽極接合・融着・共晶接合・接着剤接合 Si-Si、Si-ガラス、サンドイッチ接合など
ダイシング ブレードダイシング・ステルスダイシング 内部構造保護が必要な場合はレーザー系を選択
評価・検査 SEM/EDS分析・白色干渉計・AOI・プローブ検査 膜厚・CD測定・表面形状測定など


たとえば「DRIEだけ依頼したい」「成膜とリソグラフィのみ外注したい」という部分的な依頼にも対応するファンドリが増えています。これを「単工程受託」と呼び、自社に一部の設備があるケースや、研究段階で特定プロセスだけ専門家に任せたいケースで有効です。


ウェハサイズは2インチの小型基板から12インチ(300mm)の大型ウェハまで対応しているファンドリもあり、試作段階では小径ウェハで費用を抑え、量産段階で大径に移行するロードマップも取れます。この点がMEMS受託の大きな強みです。


参考:MEMS受託加工プロセス一覧(株式会社M.T.C)
https://www.mems-technology.com/foundryservice


mems加工受託を依頼する前の確認ポイントと失敗しない選び方

実績ゼロのファンドリに依頼すると、試作ウェハ1枚の費用が無駄になるだけでなく、IP(知的財産)が流出するリスクも見逃されがちです。


受託先を選ぶ前に、以下の観点を必ず確認しましょう。


**🔍 技術適合性の確認**
まず自分が作りたいデバイスのプロセス要件と、ファンドリの保有装置・実績が一致しているかを確認します。たとえば「高アスペクト比の貫通穴(TSV)が必要」なら、ICP(誘導結合プラズマ)エッチャーの有無と実績ロットを確認することが条件です。


**📐 ウェハサイズと最小発注ロット**
試作段階では「1枚から対応可能」なファンドリが複数存在します(国内のJMEMS、テクノプリント等)。ただし量産移行後に対応可能なラインのウェハサイズが異なる場合、設計の見直しが発生するため、量産を見据えたサイズ選定が重要です。


**🛡️ IP(知的財産)の管理体制**
設計データを預けるため、NDА(秘密保持契約)の締結は必須です。特に台湾・韓国などの海外ファンドリと連携する場合、IP流出のリスクを事前に弁理士や法律の専門家に相談しておくと損失を避けられます。


**🏭 品質認証・業界適合性**
自動車向けデバイスであればATECまたはIATF16949相当の品質管理実績があるファンドリを選ぶことが重要です。世界TOP10のMEMSファンドリであるAPM(台湾)は、自動車グレードのMEMSデバイスを数百万チップ出荷した実績があり、PFMEA・Ford 8Dアプローチを品質管理に取り入れています。


**💬 コミュニケーション体制**
MEMS設計は「相談しながら進める」性質が強く、問い合わせ回答スピードと日本語対応の有無が開発LTに直結します。株式会社メムス・コアのように「自社製品を一切持たない純粋ファンドリ」は、顧客側に集中したサポートが得やすい特徴があります。


参考:MEMSファンドリサービス(日本MEMS株式会社)
https://www.jmems.com/mems-foundry.html


金属加工従事者がmems加工受託を活用する独自の視点:「橋渡し役」としてのポジション

多くの金属加工会社は「MEMSは半導体業界の話」と距離を置きがちです。これは大きな機会損失になっています。


実際のMEMSデバイス開発では、ウェハプロセス(半導体的工程)だけでなく、後工程での「パッケージング」「組立て治具の製作」「精密な実装フレームの加工」が不可欠です。この後工程こそが金属加工技術の出番で、専門ファンドリが苦手とする領域です。


たとえばMEMSマイクロフォンを製品化する流れを考えると、シリコンウェハのチップ(ファンドリが担当)を、金属筐体・樹脂ハウジング・PCB実装フレームと組み合わせて初めて製品になります。つまり金属加工会社は、MEMSファンドリの「後段パートナー」として参入できる余地があるということです。


さらに踏み込むと、以下のような連携モデルが生まれつつあります。


- **前処理・洗浄工程のサポート**:MEMS用の高清浄環境での金属部品洗浄(RCA洗浄対応ライン)
- **治具・プローブカードの精密加工**:プローブ検査で使用する治具は1μm精度の金属加工品が求められ、既存の精密切削技術が活きる
- **アッセンブリ・ダイボンディング後の筐体製作**:量産移行時のパッケージ筐体を金属加工で供給するケース


これはMEMS単独では完結しないということですね。このような「補完的な橋渡し役」として自社の強みを再定義することで、金属加工会社がMEMS分野に参入するハードルは想像以上に低くなります。


日本政策金融公庫の調査でも「微細加工をテーマとした金属MEMSの研究会に参加する中小製造業」の事例が取り上げられており、金属×MEMSの融合が産業政策としても注目されています。実際に動き始めるなら、産総研(産業技術総合研究所)が提供するMNOIC(Micro-Nano Open Innovation Center)のMEMSファンドリサービスを試作段階で活用し、技術感度を養うことが第一歩として有効です。


参考:産総研 共用研究開発施設・MEMSファンドリサービス
https://www.aist.go.jp/pdf/aist_j/business/orp/OpenFacility_pamphlet.pdf


十分な情報が収集できました。記事を生成します。




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