マウスピース メッキ加工 違い 種類と選び方

金管楽器のマウスピースに施されるメッキ加工には、銀メッキ・金メッキ・ピンクゴールド・プラチナなど多くの種類があります。各メッキの違いを理解することで、音色や吹奏感が大きく変わることをご存知でしょうか?
マウスピース メッキ加工の主要な違い
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銀メッキの特徴と標準仕様

市販のマウスピースはほぼ銀メッキが標準です。真鍮の腐食防止と安全性を両立します。

金メッキと吹奏感の変化

最も人気のメッキで、口当たりが滑らかになり息が入りやすくなります。

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ピンクゴールドの美しさと音響特性

見た目の華やかさと倍音の豊かさが特徴の高級メッキです。

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再メッキ時の下処理の重要性

綺麗で丈夫なメッキを実現するには、下処理が最も重要な工程です。

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金属アレルギー対応メッキ

フェリックゴールドやReST-M2など、アレルギーの心配が少ないメッキも登場しています。

マウスピース メッキ加工の違い 種類別特性

マウスピース メッキ加工における銀メッキの位置づけ

 

金管楽器のマウスピースに使用されるメッキの中で、銀メッキはスタンダードな存在です。市販のほとんどのマウスピースメーカーが銀メッキを採用しており、これは単なる習慣ではなく、真鍮素材を腐食から守り、ユーザーの唇の安全性を確保するための重要な保護層として機能しています。銀メッキは金属アレルギーのリスクが比較的低く、長期間の使用でも品質が安定しているという大きなメリットがあります。

 

銀メッキの音響特性は「芯のある落ち着いた音色」として知られており、多くのプロフェッショナルにも愛用されています。初心者から上級者まで幅広いニーズに対応できるバランスの取れたメッキであり、その優秀性ゆえに他のメッキとの比較では「本当に違いがあるのか」という疑問も生まれやすいのです。しかし実際には、他のメッキを試奏した際に、その違いがはっきり認識できるようになります。

 

マウスピース メッキ加工の金メッキとその吹奏感への影響

金メッキは現在、マウスピースメッキの中で最も人気のある選択肢です。最大の特徴は「口当たりの滑らかさ」で、銀メッキと比較すると明らかな違いを感じることができます。この滑らかさにより、スラーなどの技巧的な演奏がしやすくなり、マウスピースのセッティング位置の微調整も容易になります。吹奏感は銀メッキよりもスッと息が入りやすく、音の立ち上がりが素早いという特徴があります。

 

一方で、金メッキにはグリップ感の低下という欠点があります。長時間の演奏では、マウスピースが徐々に滑りやすくなり、唇の位置を固定しにくくなる可能性があります。これは演奏スタイルや個人差によって大きく影響を受ける要素です。音色に関しては、銀メッキと比べて「若干明るくなる」程度であり、聴き手の方が吹き手よりも音色の違いを認識しやすいという興味深い特性があります。

 

金メッキには複数の純度が存在し、一般的な管楽器用メッキは18~23.5K(カラット)です。24K(純金)は強度が不足するため、ほとんど使用されません。メッキ工場によって純度が異なるため、同じ「金メッキ」でも工場による品質差が生まれることがあります。

 

マウスピース メッキ加工のピンクゴールドと銅配合の影響

ピンクゴールドは何よりも見た目の美しさで知られており、特に女性奏者から高い人気を集めています。金メッキに銅を混ぜることで独特のピンク色を実現していますが、その音響特性は金メッキよりも多様です。試奏者の感想は「音が柔らかくなる」という意見と「音が明るくなる」という相反する意見が混在しており、個人差が大きいのが特徴です。

 

銅成分の配合比率がメッキの特性を大きく左右します。倍音が豊かになったり、抵抗感が増したり、音量が増すなど、複数の変化が同時に起こることもあります。一般的には「柔らかく落ち着いた音色」というイメージがありますが、実際には工場や配合によってかなり異なる結果が生じます。

 

ピンクゴールドの難点は変色しやすいという点です。日頃のお手入れが重要であり、こまめな清掃が必須になります。メッキ工場ごとに配合が異なるため、同じピンクゴールドでも色合いや音響特性に差が生まれやすいのです。

 

マウスピース メッキ加工における下処理の重要性

再メッキを行う際、「綺麗で丈夫なメッキに仕上げるための下処理が9割を占める」という業界の格言があります。既存のメッキが劣化したマウスピースや傷がある製品では、まず旋盤を使用した丁寧な研磨が必須になります。バフ研磨機だけでは、リム形状の変化やムラが生じやすいため、まずは旋盤で少しずつ研磨して表面状態を整えます。

 

見落とされやすい重要な工程が、マウスピース内部(カップ内部)の研磨です。息が通る内部こそが音響に最も影響を与える部位ですが、この部分の研磨は非常に難しく、一般的な楽器店ではほぼ対応できません。内側を丁寧に磨かない場合、スロート付近のメッキが曇りやすくなったり、カップ部分のメッキが剥がれやすくなったりする問題が発生します。

 

下処理の後、バフ研磨機で軽く仕上げて表面をツルツルに整えますが、この工程でも「本当に最小限」の加工が大切です。楽器店によっては特注の柔らかいバフ布を使用して、楽器本体へのダメージを最小化しています。新品に近い状態で傷が少ない場合は、この複雑な下処理を省くことができ、仕上がりの品質向上と納期の短縮につながります。

 

マウスピース メッキ加工の金属アレルギー対応と新技術

従来の金メッキにはコバルトが含まれていますが、このコバルトとニッケルは金属アレルギーの原因になりやすいという報告があります。これに対応するメッキとして「フェリックゴールド」が登場しました。フェリックゴールドは金メッキに鉄を含ませることで、アレルギーリスクを低減しています。

 

見た目は通常の金メッキと区別が難しく、金メッキとフェリックゴールドを吹き比べると、フェリックの方が「僅かに柔らかく落ち着いた音色」を呈するという評価が多く寄せられています。口当たりも金メッキほど滑らず、安定感を求める奏者にとって理想的な選択肢となります。

 

さらに最新の技術として「ReST-M2」という耐金属アレルギー加工も開発されており、既存の金・銀・プラチナなど、あらゆるメッキの上に施すことが可能です。これにより、既に愛用しているマウスピースを処分することなく、アレルギー対応に切り替えられるという利点があります。

 

マウスピース メッキ加工の料金体系と納期

マウスピースのメッキ加工には、メッキの種類によって大きな価格差があります。銀メッキはトランペットで6,600円、金メッキで26,400円、プラチナで37,400円、ロジウムで55,000円と、メッキの希少性や加工難度に応じて段階的に高くなります。ピンクゴールドやフェリックゴールド、シャンパンゴールドなど、特殊なメッキも各種取り扱われており、オーダーメイドのカスタマイズも可能です。

 

私物品への加工の場合、工場までの往復送料2,200円が別途必要になります。さらに、ラッカー仕上げの製品やメッキにキズがある場合は、ラッカー剥離と研磨などの下処理費用として4,400円が追加されます。納期は一般的に2~4週間ですが、メッキの種類によって変動することがあります。

 

新品の製品にメッキ加工する場合と、私物品に再メッキする場合では、見積もりプロセスが異なります。新品の場合は加工料金が明確ですが、私物品は現物確認後の正確な見積もりになるため、事前の簡易見積もりと実際の請求額に差が生じる可能性があります。

 

メッキの特徴について詳しく解説した専門ブログ。各メッキの音響特性と吹奏感の違いについて、実際の試奏者の感想を交えた詳細な比較情報が掲載されています。
マウスピース再メッキの実務的なプロセスと下処理の重要性について、画像付きで実例を示しながら解説した記事。業者が実際に施す研磨技術と注意点が明らかになります。

 

 


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