アクセサリーの再メッキ加工には、現在の商品状態に応じて複数のパターンが用意されています。最も基本的で経済的なアプローチから、完全な新品復元までの選択肢があります。
パターン① 新品状態またはすでに研磨済みの場合
既に磨き処理が完了している商品に直接メッキを施すパターンです。小ピアス(1個)であれば1,300円~1,430円(税込)から対応可能で、リングやトップペンダントなら1,800円~1,980円(税込)が目安となります。中トップやチェーン類は2,300円~3,300円(税込)の範囲で、最も低コストな再メッキが実現できます。このパターンは下地の光沢が保たれている場合に最高の仕上がりが期待でき、納期も短縮されます。
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パターン② 酸化取りと化学研磨による前処理付き再メッキ
使用中の中古品や、小傷がある状態でのメッキが必要な場合に選択されます。見えない酸化被膜や油脂を化学的に除去する酸化取り処理(別途1,650円~4,400円税込)を行った上でメッキを施します。小ピアスであれば2,700円~2,970円(税込)から、リングなら3,700円~4,070円(税込)の費用が必要です。「そのままの状態でいいからとにかくメッキをしたい」というご要望には、この前処理と組み合わせることで、見栄えの良い仕上がりを実現しながらコストを抑えることができます。ただし、深い腐食や黒ずみが存在する場合、完璧な復元にはならない点を理解した上での依頼が推奨されます。
パターン③ 研磨付きの完全復元型再メッキ
メッキが剥がれた、あるいは綺麗な状態に戻したいというご要望に対応するパターンです。熟練職人による研磨処理を含むため、小ピアスであれば5,300円~5,830円(税込)、リングなら5,800円~7,480円(税込)と費用は上がります。中チェーンの場合は7,500円~9,020円(税込)となり、新品に近い光沢が完全に復元されます。このパターンではメッキの密着性が最も高く、長期的な耐久性が期待できるため、ブランド品やこだわりのアクセサリーの再メッキに最適です。
アクセサリーの再メッキで選択できるメッキの種類は複数あり、色合い・硬度・耐久性が異なります。同じパターンであれば、基本的にすべてのメッキ種が同一料金で対応可能というのが、多くの加工業者の特徴です。
金メッキの料金と特性
金メッキは24K相当から22K、18K、14Kのカラーバリエーションが提供されます。24Kと22Kはほぼ同じ色味を呈し、より高い品位ほど深い黄色となります。金は柔らかい金属であるため、耐久性を求める場合は厚メッキオプション(通常メッキ0.05μ以上に対して厚メッキ0.5μ以上)を選択することが推奨されます。パターン①の場合、ペンダントトップなら100円~150円という業者もあり、大量の商品を扱う場合の単価は極めてリーズナブルです。
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ロジウムメッキ(プラチナ仕上げ)の特徴と費用
ロジウムメッキはシルバー仕上げ、プラチナ仕上げと称される白系のメッキで、非常に硬い皮膜が特徴です。傷がつきにくく、変色への耐性が強いため、ホワイトゴールドやプラチナ製アクセサリーの標準的なコーティングです。金メッキと同一料金で対応可能な業者が大半で、むしろコストパフォーマンスに優れています。硬度が高い分、長期使用での耐用性も優れており、毎日装着するアクセサリーの再メッキに適しています。
ブラックロジウムメッキの独自性と費用
独特の光沢を持つガンメタリック色で、真っ黒ではなく美しいグレー調となります。通常「黒系のメッキは弱い」という業界の定説に対して、一部の高度な加工業者は独自技術によりロジウムより強度が強いブラックロジウムを実現しています。皮膜の硬度はロジウムメッキより高く、傷つきにくいという利点があります。金メッキと同額の料金設定がほとんどで、デザイン性と機能性を両立させたい場合に選択されます。
ピンクゴールドメッキの需要と費用
近年の若年層を中心に需要が急速に高まっているピンクゴールドメッキは、金属感のあるピンク色が特徴です。通常は皮膜が弱いとされていますが、厚メッキオプションを組み合わせることで耐久性を強化する技術が開発されています。他の金属よりも酸化が早いという性質があるため、定期的なメンテナンスが必要です。料金は金メッキと同一設定のため、費用面での負担増はありません。
多くのアクセサリー加工従事者が見落としがちな重要なポイントは、メッキ施工前の前処理です。「汚い状態でもいいからメッキをしてほしい」というご依頼がありますが、前処理の質が最終的な仕上がりと耐久性を大きく左右します。
酸化被膜取りと超音波洗浄の役割
使用済みのアクセサリーには目に見えない酸化被膜や、細かい隙間に蓄積した油脂が存在しています。これらが完全に除去されないまま再メッキが施されると、密着不良・ムラ・かぶりなどの不具合が発生します。スペシャル酸化被膜取&超音波洗浄&脱脂処理は、これらの問題を解決するための化学的前処理です。小傷は完全には除去されませんが、メッキが密着しやすい状態に表面を整えることができます。
ニッケル下地の選択と注意点
アレルギー対策として、ニッケルフリーのメッキを希望される方が増えています。当社メッキは原則ニッケルフリーですが、真鍮や合金の素材の場合、下地にニッケルを使用する場合があります。絶対にニッケルを避けたい場合は、加工指示書に明記することが必須です。こうした材質による下地の選択が、最終的なアレルギーリスクと品質に関わるため、加工業者との事前相談が重要です。
素材別の前処理の違いと費用変動
プラチナ・金・シルバーなどの貴金属と、真鍮・ステンレス・スズ合金などの一般金属では、前処理の難易度と時間が大きく異なります。合金の場合は納期が1週間~2週間と長くなり、複雑な前処理が必要です。石が接着材で留められている商品の場合、メッキ加工中に石が外れる、破損する可能性があるため、事前に石を外すことが推奨されます。これらの素材特性に基づいた前処理選択が、最終的な再メッキの成功と失敗を分けます。
アクセサリーの再メッキ後の寿命は、施工時の厚み選択に大きく影響されます。「すぐに剥がれる」という認識は誤解で、適切に施工された再メッキは数年以上の耐久性が期待できます。
通常メッキと厚メッキの違いと持ちの差
通常メッキは0.05μ以上、厚メッキは0.5μ以上の厚みで施工されます。μ(マイクロメートル)は極めて微細な単位ですが、0.05μから0.5μへの変更は10倍の厚みを意味します。厚メッキは施工費が増加しますが、耐久性は格段に向上します。特に金メッキは柔らかい素材であるため、毎日装着するアクセサリーは厚メッキが強く推奨されます。
メッキの剥がれメカニズムと実際の使用期限
完全に剥がれることは稀で、長年使用しているとスレて地金が見えてくるというのが実態です。堅いものとの接触による摩擦が主な原因で、使用頻度と接触環境により大きく変わります。使用しなければ理論上は一生剥げませんが、ヤスリがけのような激しい摩擦には抵抗できません。年に1回の研磨+再メッキを定期メンテナンスとして実施している顧客も多く、こうした計画的な再施工により永続的な美観を保つことが可能です。
低価格メッキとの品質差
外国製の安価なメッキ商品と比較して、国内の高度なメッキ技術は著しく優れています。単価が極端に低い業者の場合、施工精度や厚みが基準を下回る可能性があり、短期間での再メッキが必要となるという悪循環に陥る危険があります。初期投資としてやや高めの料金を選択することで、長期的な総費用を削減できる計算になります。
基本的な再メッキ加工以外にも、特定のデザインやカスタマイズに対応した特殊加工が用意されています。これらの加工は追加費用が発生するため、事前の見積もりが必須です。
マスキング加工による複色メッキとツートンカラー表現
一部のみメッキを施し、他の部分は地金を露出させるマスキング加工により、ツートンカラーの表現が可能になります。例えば、ロジウムと金(地金)の組み合わせなど、複雑なデザイン表現が実現できます。マスク1箇所あたり2,000円~(税抜)の追加費用が発生し、複雑なマスキングは数千円に上ります。6回のマスク・メッキを繰り返した複雑な商品も実在し、カスタマイズの自由度が高いことが特徴です。顧客がマスキングを自分で行い、剥がし費用150円(税抜)のみで対応する節約方法も提供されています。
いぶし加工の費用と工程
シルバーアクセサリーのいぶし加工は、デザインの一部として利用される黒い部分を作り出す技術です。新たにいぶしを施す場合と、既存のいぶしを取り除く場合の2パターンがあります。いぶしのみの場合は研磨を伴わず、顧客が色合い(いぶしの濃さ)を自分で調節できるため、独特のメリットがあります。費用は2,000円~(税抜)で、納期は1週間~2週間です。
極厚メッキと巣埋メッキの特殊技術
大手ジュエリーメーカーの原型作成部署が利用する極厚メッキは、シルバーメッキ・銅メッキを100μ~500μ(0.1㎜~0.5㎜)の厚みで施工します。完成後に磨きで最終サイズを調整するため、ワックスから制作する場合の縮小を補正する方法として活用されています。巣埋メッキは、キャスト後に表面に出現する空洞(巣)を金属で埋める技術で、再キャストより低コストで問題を解決します。これらの特殊技術は納期1週間~2週間で提供されますが、通常のメッキより複雑な料金体系となります。
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