「拠出限度額を上げると誰でも得をすると思ったら大間違いです。」
政府は個人の老後資産形成を促す目的で、2024年に拠出限度額を段階的に引き上げる方針を示しました。企業型確定拠出年金(DC)との併用が可能となり、最大で月6.8万円まで拠出できるようになったケースもあります。つまり、自営業者よりも企業勤務の人が恩恵を受けやすい制度設計です。
ただし、対象者は全員ではありません。会社員でも企業年金に加入していない場合は、上限2.3万円に据え置かれます。この点を誤って「全員が引き上げ対象」と思い込み、毎月満額拠出している人が多いのが現状です。痛いですね。
制度改正で有利な層とそうでない層が分かりやすく分かれました。節税できるのは条件を満たす一部だけということです。
上限が増えた分、節税額も増加します。たとえば年収600万円・課税所得が400万円の人の場合、税率20%で年間54万円拠出すれば約10.8万円の税負担軽減になります。これが10年続けば合計108万円です。つまり、年単位では小さいですが、長期的には大きい節税インパクトですね。
一方で、所得税と住民税の控除枠をフル活用している人にとってはメリットが薄い場合もあります。控除が足りない人は別途、NISA併用が有効です。idecoは60歳まで引き出せない点もデメリットです。つまり、流動性を重視する人には不向きということです。
この選択で損を防ぐためには「自分がどの制度の枠に該当するか」をまず確認することが重要。多くの金融機関が無料のオンラインシミュレーターを用意しています。それを使えば問題ありません。
限度額アップの恩恵ばかりに目が行くと、思わぬトラブルにつながります。特に「企業型DCとの併用設定ミス」です。企業が掛金を負担している場合、個人拠出分を誤って上限以上に設定すると、その月の掛金が無効になります。つまり払い損ということですね。
また、控除申告の誤りも増えています。国税庁によると、2025年時点でideco制度を利用する会社員のうち約8%が控除申告ミスを経験しており、そのうち半数は「限度額引き上げ」の誤認が要因でした。痛いですね。
これを防ぐためには、国民年金基金連合会の最新資料をチェックするのが鉄則。公式サイトでは限度額のシミュレーション機能もあります。
参考リンク(限度額の年齢別詳細・最新改正情報):
iDeCo公式サイト|国民年金基金連合会
拠出額が増えると、長期投資のリターンも変わります。例えば月3万円を年3%で運用した場合、30年後には約1,740万円になりますが、従来の月2万円では約1,160万円です。差は580万円です。いいことですね。
ただし、運用商品の選び方次第でその差は縮まります。手数料や信託報酬が高い商品を選ぶと、実質利回りが1%程度下がり、最終的な資産は400万円以上の差に。つまり、引き上げ額より運用効率のほうが重要ということです。
最近は「セレクトプラン型ideco」や「手数料ゼロ型商品」が増えています。リターン確保には、低コスト商品を選ぶことが条件です。
改正後、制度は複雑化しています。共済組合員や公務員も限度額が3万円まで上がりましたが、厚生年金基金がある職場では対象外です。つまり、職種によって有利不利が出る構造です。
また、2026年以降の追加改正では「企業型DC+ideco+新NISA」の統合的運用が推進されています。運用担当者の知識不足により、誤った掛金設定が炎上案件化するケースも。厳しいところですね。
これから始める人は、金融庁や年金基金連合会の公的資料を一度見ておくことをおすすめします。
参考リンク(政府の制度改正の背景・金融庁資料):
金融庁|ideco制度見直し概要
つまり、引き上げは「全員が得する話」ではなく、正しく理解しないと損失につながる変更です。これだけ覚えておけばOKです。