報酬が上がれば儲かると思っていませんか?実は令和8年6月以降に開設した新規事業所は、既存事業所より報酬単価が最大3%低く設定されます。
障害福祉サービス費の報酬改定とは、国が障害福祉サービス事業所に支払う公定価格(報酬単価)を見直す制度のことです。 医療の診療報酬改定と構造が似ており、基本的には2年に一度のサイクルで実施されます。 comimi(https://comimi.jp/archives/column/shogai-hoshukaitei-2024)
事業所はサービスを提供するたびに「単位」という点数に応じた報酬を受け取ります。この単位数が改定されると、事業所の収益が直接増減します。つまり、単位数が変わる=売上が変わるということです。
金融や投資の文脈でこの制度を見ると、障害福祉事業所はいわば「公定価格に依存したビジネスモデル」です。 収益の大部分が行政からの報酬で構成されるため、改定の内容を読み取る力が事業の継続性を左右します。これは規制産業に投資するときの視点と本質的に同じです。 rbatos(https://rbatos.com/lp/2025/12/31/2026%E5%B9%B46%E6%9C%88%E6%96%BD%E8%A1%8C%EF%BC%9A%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E7%A6%8F%E7%A5%89%E5%A0%B1%E9%85%AC%E3%81%AE%E8%87%A8%E6%99%82%E6%94%B9%E5%AE%9A%E3%81%A8%E6%96%B0%E8%A6%8F%E4%BA%8B%E6%A5%AD/)
令和6年度(2024年度)は処遇改善加算の整理統合など広範な見直しが行われ、令和8年度(2026年度)は制度史上初の「新規事業所限定の報酬引き下げ」という臨時措置が加わりました。 改定の方向性を正確に把握していない事業者や投資家は、気づかないまま収益計画がズレていくリスクがあります。 ai-fukushi(https://ai-fukushi.net/reduction/)
参考:厚生労働省による令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の公式概要ページ(基本報酬・加算の改定内容が網羅されています)
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要 - 厚生労働省
令和8年(2026年)6月1日、制度史上初となる「新規事業所のみを対象とした基本報酬の引き下げ」が施行されました。 対象となるサービスは以下の4類型です。 ai-fukushi(https://ai-fukushi.net/reduction/)
この措置が生まれた背景には、令和6年度の障害福祉サービス総費用額が前年度比12.1%増という急激な伸びがあります。 政府が想定していた年5〜6%の伸びを大きく超えたため、制度の持続可能性を守るための「臨時応急的な見直し」として打ち出されました。臨時とはいえ、その考え方が恒久化した場合はM&A市場にも波及するとの見方があります。 rbatos(https://rbatos.com/lp/2025/12/31/2026%E5%B9%B46%E6%9C%88%E6%96%BD%E8%A1%8C%EF%BC%9A%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E7%A6%8F%E7%A5%89%E5%A0%B1%E9%85%AC%E3%81%AE%E8%87%A8%E6%99%82%E6%94%B9%E5%AE%9A%E3%81%A8%E6%96%B0%E8%A6%8F%E4%BA%8B%E6%A5%AD/)
既存事業所は対象外です。 報酬は維持されます。ただし、既存事業所を売買する場合にも、取得後に一定の変更手続きが発生する場合は「新規指定」と同等に扱われることがあるため注意が必要です。 hugmate(https://www.hugmate.net/index/v/592)
参考:令和8年度改定の臨時措置の詳細と、新規・既存事業所の違いをわかりやすく解説
2026年6月施行:障害福祉報酬の臨時改定と新規事業所への影響
引き下げの対象となる新規事業所でも、特定の条件を満たす場合は従来の報酬単価が適用されます。 これを「配慮措置」または「例外ルール」と呼びます。 aimari-office(https://aimari-office.com/contents/2026-houshu-kaitei/)
つまり「社会的ニーズが高い地域・支援が難しい利用者を受け入れる事業所」は守られる構造です。 これは事業所開設を計画している事業者にとって、立地選択や支援対象者の設定を戦略的に考える動機になります。 aimari-office(https://aimari-office.com/contents/2026-houshu-kaitei/)
金融的な視点で言えば、例外条件に該当するかどうかで同じ新規事業所でも年間収益に差がつきます。配慮措置の確認は必須です。開設前に、管轄の自治体(都道府県または政令市)の障害福祉担当窓口で「公募・補助対象地域かどうか」を確認する一手間が、数年分の収益差につながることがあります。
参考:令和8年度臨時改定の例外措置・配慮措置の具体的な条件が解説されているページ
令和8年度の障害福祉報酬改定(期中改定)の重要ポイントを解説
令和6年度改定のもう一つの柱が、処遇改善加算の大幅な見直しです。 従来は「福祉・介護職員処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「ベースアップ等支援加算」の3種類が別々に存在していましたが、これらが「福祉・介護職員等処遇改善加算」として一本化されました。 comimi(https://comimi.jp/archives/column/shogai-hoshukaitei-2024)
新しい加算は4段階(加算Ⅰ〜Ⅳ)に整理されており、上位区分ほど加算率が高くなります。 たとえば就労継続支援B型の場合、加算Ⅰは9.3%、加算Ⅳは6.2%です。加算率の差は約3ポイントですが、月の報酬規模が大きな事業所では年間でかなりの金額差になります。 comimi(https://comimi.jp/archives/column/shogai-hoshukaitei-2024)
加算Ⅱ以上を算定するには「改善後の賃金年額440万円以上の職員が1人以上いること」が条件です。 これは条件が厳しいように見えますが、正社員1名の賃金水準を管理することで上位加算を維持できるという、シンプルな経営指標でもあります。 comimi(https://comimi.jp/archives/column/shogai-hoshukaitei-2024)
処遇改善加算の一本化で申請・管理のコストが下がった一方、条件を満たせない事業所は下位区分に落ちてしまいます。上位区分を維持することが、そのまま収益の最大化につながる構造です。職員の賃金テーブルの設計が、事業所の財務戦略の一部になったということです。
参考:処遇改善加算の一本化の内容・算定要件・加算率一覧が詳しく整理されているページ
2024年障害福祉サービス報酬改定をわかりやすく解説 - comimi
障害福祉事業はここ数年、フランチャイズ展開や投資目的での開設が急増してきました。 「儲かる事業」として売られていた実態があり、厚生労働省もその動きを問題視して今回の規制強化に踏み切った経緯があります。 note(https://note.com/royal_poppy721/n/n6cfabf181346)
投資家として障害福祉事業を見る場合、以下の3点が財務評価のポイントになります。
| 評価ポイント | 内容 | チェック方法 |
|---|---|---|
| 新規 or 既存 | 令和8年6月以降の新規事業所は基本報酬が最大3%低い | 指定年月日の確認 |
| 加算区分 | 処遇改善加算の取得区分(Ⅰ〜Ⅳ)で収益が異なる | 加算届出書の確認 |
| 収支差率 | 対象4類型は収支差率5%以上が引き下げの理由になった | 決算書・収支計算書 |
M&Aで既存事業所を取得する場合は、報酬単価が維持されるメリットがあります。 ただし、取得後に施設の増設・種別変更などで「新規指定」が必要になるケースでは、引き下げ後の報酬が適用される点に注意が必要です。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/001683290.pdf)
就労継続支援B型だけで、1年間の総費用額増加が1,000億円以上という規模の産業です。 公的報酬に裏打ちされたこの市場の安定性は魅力的ですが、改定リスクを正確に織り込んだ収益計画が不可欠です。制度変更の情報収集には、厚生労働省の「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の会議資料を定期的にチェックする習慣をつけると実用的です。 ai-fukushi(https://ai-fukushi.net/reduction/)
参考:障害福祉フランチャイズの拡大実態と厚労省の規制方針について詳しく解説
障害福祉フランチャイズの拡大「儲かる事業」として売られていた実態 - note
参考:令和8年度報酬改定の全体像と事業者が準備すべきことの解説
【2026年度】障害福祉報酬改定はマイナスに?それともプラスに? - kaisyuf.jp