シャーリングタオルは「水を吸わない」と思っているなら、2割の保水量を誤解しています。
シャーリング加工タオルとは、タオルの表面にあるループ状のパイル(糸の輪っか)を、棒状のスパイラルカッターで刈り取り、ビロードやベルベットのような平らな面に仕上げたタオルのことです。一般的に片面のみに施されるため、表がシャーリング面、裏はパイルそのままのループ面という構造になっています。
通常のパイルタオルは、糸がループ状のまま残っているため、ふわふわとした弾力感と高い保水量が特徴です。一方シャーリング加工では、そのループの先端を均一にカットすることで、毛足の長さが揃い、表面が非常になめらかになります。つまり、シャーリング地はパイル地の一種です。あくまでパイルを加工したものであり、まったく別の素材ではありません。
加工技術の違いによって、主に以下の3種類に分けられます。
| 種類 | カット量 | 特徴 |
|---|---|---|
| 全シャーリング | パイルの約2/3をカット | 完全にフラットな仕上がり。デザイン再現性が最も高く、高品質だが技術が必要 |
| 半シャーリング | パイルの約1/3をカット | まんべんなく刈り残しがある。全シャーリングより安価で、デザイン再現性はやや低い |
| スチームシャーリング | ジャガード織りと組合せ | 無撚糸をスチームで縮ませて凹凸を作る。シャーリングジャガードとも呼ばれ、高価だが人気が高い |
全シャーリング加工では、刈り残しが出ないよう機械のメンテナンスや技術精度が非常に重要になります。使用する糸の種類(単糸・双糸)や、織り工程でのサイジング(糊付け)の精度まで品質に影響が出るため、製造側には高い知識と技術力が求められます。これが基本です。
参考:シャーリング加工の詳細な工程と技術的ポイント(タオルショップJP)
https://www.towel-shop.jp/column/シャーリング加工とは/
「シャーリングタオルは水を吸わない」という声を、タオル業界でよく耳にします。これは誤解です。
実際のメカニズムを確認すると、パイルをカットした断面の繊維が広がることで、毛細管現象が増幅されるという現象が起きます。水を引き込む力は、むしろパイルのままのタオルよりも強くなることが確認されています。では、なぜ「吸わない」という体感が広まっているのでしょうか?
理由は保水量にあります。パイルをカットしているため、タオル全体が保持できる水の絶対量が、通常のパイルタオルと比べて約2割減少します。身体を拭いたときに「グッと水分を吸い取られる感覚」が弱くなるのはそのためです。吸水のスピードは問題ないですが、一度に拭き取れる量がやや少なくなるイメージです。
この違いを日常的な感覚に置き換えると、フェイスタオルで汗を拭いたとき、シャーリングタオルはさらっとなぞる感じ、パイルタオルはぐっと吸い込む感じの違いに近いと言えます。水拭き用のタオルとしての使用感が、パイルに慣れている人にとって物足りなく感じる原因です。
実際の用途別の判断基準としては次のようになります。
吸水性の誤解さえ解ければ問題ありません。用途を正しく把握してから選ぶことが大切です。
参考:シャーリングタオルの吸水性と毛細管現象についての技術的解説(名匠インタートレード)
https://mit.meijin-intertrade.com/1015/
プリントタオルの仕上がりには、シャーリング加工が不可欠です。
通常のパイルタオルは、表面に無数の糸のループが立っているため、インクをのせても繊維の凹凸によって色が散ってしまい、細かい文字やグラデーションはぼやけがちです。これに対してシャーリング加工を施したタオルは、表面がほぼ完全にフラットになっているため、インクが均一に定着し、デザインがそのまま再現されます。
光沢紙に写真を印刷したときのような鮮やかさと精細さが、シャーリング生地では実現できます。これは使えそうです。特にフルカラーのインクジェットプリントでは、人物の肌の質感や髪の毛の細かいディテールまで再現できる品質に仕上がります。企業ロゴや複雑なイラストを正確に表現したい場合には、シャーリング加工が条件です。
また、生地が光を反射しやすい構造になっているため、印刷後の発色が一層鮮やかに見えるという視覚的な効果もあります。同じデザインデータでも、パイルとシャーリングでは仕上がりに大きな差が出ます。
印刷方法の主な種類との組み合わせを整理すると下記のとおりです。
| 印刷方法 | シャーリングとの相性 | 特徴 |
|---|---|---|
| インクジェット(昇華転写) | ◎ 最も相性が良い | フルカラー・写真品質の高発色が可能 |
| シルクスクリーン(染料) | ○ 良好 | 染料が繊維に染み込むため発色が良い |
| シルクスクリーン(顔料) | ○ 使用可能 | 色数が増えると再現性に限界が出るため確認推奨 |
印刷方法を決める前に、デザインの仕上がりイメージを専門業者にサンプル確認してもらうと安心です。デザインが確定したら色校正サンプルを取り寄せるのが一番確実な方法です。
参考:シャーリングタオルのプリント・デザイン再現性に関する詳細(MARKLESS STYLE)
https://markless.jp/blog/52/
シャーリングタオルには、メリットの裏側にあるデメリットも存在します。まず正直に把握することが大事です。
最大のデメリットは「毛羽落ちのしやすさ」です。パイルをカットして繊維の断面が露出しているため、洗濯の際に摩擦が加わると、短い繊維が抜けて毛羽として出やすい構造になっています。今治謹製の公式サイトでも「無撚糸やシャーリング加工のタオルは特に毛羽が落ちやすいので洗濯ネットに入れてください」と注意を促しています。毛羽が衣類や黒い生地に付着すると、見た目にも大きな影響が出ます。
具体的な対策を整理すると次のとおりです。
もう一つのデメリットは、引っ張りへの弱さです。カットされた糸は接続点が少なくなっているため、強く引っ張ると繊維が抜けやすくなります。コロコロ(粘着テープ)でゴシゴシと掃除することは厳禁です。タオルの繊維を一気に傷めてしまいます。
洗濯ネットに入れて陰干しするだけでも寿命が大きく変わります。
参考:今治謹製公式のタオルお手入れガイドライン(今治謹製)
https://www.imabari-kinsei.com/stories/use/
「シャーリングタオルは、繊細なギフト用」というイメージを持っている方は多いでしょう。実は金属加工の現場でも、シャーリングタオルが活躍できる場面があります。
金属加工の工場や現場では、作業後の汗拭き・油拭き・機械周りのメンテナンス補助など、複数の用途でタオルを使う場面が日常的にあります。その中でシャーリングタオルが有利なのは「携行性」と「ノベルティ・チームグッズとしての活用」という2つの側面です。
毛足が短くコンパクトに折りたためるシャーリングタオルは、作業服のポケットや工具袋にも収まりやすいサイズ感に仕上がります。厚みが出ないため、パイルタオルより軽量でかさばらないのも現場での持ち運びに向いています。汗を拭う「吸水性」よりも「携行のしやすさ」を優先する場面では、十分な実用性を発揮します。
また、工場や製造チームで揃いのオリジナルタオルを制作する場面では、シャーリングタオルのプリント適性が大きく役立ちます。会社ロゴや部署名、設備の安全標語などをクリアに印刷できるため、作業服と合わせた統一感ある現場グッズとして活用できます。スポーツイベントの応援タオルと同じ感覚で、工場単位や会社単位でのチームグッズに使われているケースも実際に存在します。
さらに、金属加工の「シャーリング加工(板金切断)」と名称が共通していることから、社内イベントや展示会での話のネタとしても使いやすい一品です。「うちの工場もシャーリングをやっている、タオルも同じシャーリングだ」というちょっとした会話のきっかけになります。意外ですね。
オリジナルプリントを入れたタオルを30枚程度まとめて制作する場合、シャーリングタオルを業務用に扱う専門店では数百円台から対応しているケースが多く、コストパフォーマンスも高い選択肢です。会社名や部署ロゴ入りのタオルは「知っていると得する」活用の一つです。
十分な情報が集まりました。記事を作成します。

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