あなたが「残業すれば稼働率が上がる」と思っているなら、実はその数値は赤字を示しているかもしれません。
多くの現場では「設備稼働率=稼働時間÷総時間×100」で計算しているでしょう。
しかしこれは「稼働時間」の捉え方次第で、大きな誤差が生じます。例えば、1日8時間稼働予定の機械が2時間メンテナンス停止した場合、単純計算では稼働率75%になります。
ですが、稼働時間に「段取り替え」や「試運転」を含める工場もあり、それらが「生産していないのに稼働」として扱われるのです。つまり、表面上は稼働率が高く見えても実際は生産効率が悪化しています。
つまり数値の見た目に騙されないことが基本です。
この誤解によって、現場では「稼働率90%超え=優秀」と勘違いし、実は原価高騰の原因になっている場合があります。
あなたの工場でも同じ落とし穴に陥っていませんか?
OEE(Overall Equipment Effectiveness:総合設備効率)は、稼働率・性能効率・良品率を掛け合わせて算出します。
式で表すと、
OEE = 稼働率 × 性能効率 × 良品率
このOEEが85%を超えると「優秀」とされますが、実際には日本の金属加工業では平均60%前後です。
OEEを考慮せずに稼働率だけ改善しても「歩留まり不良」や「待ち時間ロス」が残ったままです。つまり数字だけ良くても利益は出ていないのです。
つまり稼働率単独では不十分ということですね。
稼働率とOEEを同時に見ることで、どの要素が工場利益を阻害しているかを具体的に把握できます。最近ではIoTセンサーでリアルタイム取得する企業も増えています。
金属加工現場では、工数管理システムと稼働率算出が一致しないケースが多いです。
「人は忙しいが、設備の稼働率は低い」という矛盾です。例えば、作業者が段取りやバリ取りをしていても機械は止まっています。そのため人件費は増え、機械の稼働率は下がる。
これが生産性低下の原因です。結論は「人と設備の連動」が条件です。
対策には、作業ログとPLCデータを同期する方法があります。多くの工場では「MotionBoard」や「FACTRIO」などの可視化ツールを導入して誤差を減らしています。導入費は数十万円からですが、年単位で300万円のロス削減につながるケースもあります。
いいことですね。
停止時間には「計画停止」と「異常停止」があります。
これを混同すると、稼働率評価が大きく狂います。たとえばシフト間の休憩時間を除外せずに算出してしまうと、稼働率が平均5%下がります。
また、切削工具の交換などを「異常停止」に入れていると故障率が実際以上に高く見えるのです。つまり、評価基準がズレるわけですね。
停止時間を正確にタグ付けすることで、ボトルネック設備を特定できます。これを行うだけで月間20時間以上の無駄な停止が減少した例もあります。
稼働分析ツール「X-eye」などでは、停止カテゴリを自動分類する機能があります。設定するだけでOKです。
多くの製造現場では「稼働率を上げる」ことが目標になりがちです。
しかし、本当に見るべきは「稼働率の変動理由」です。例えば、同じ稼働率80%でも、原因が人員不足と材料待ちでは対策がまったく異なります。
現場では、日ごと・班ごとの稼働率をグラフ化して、「変動原因」をコメントとして記録することが効果的です。
こうして蓄積した“停止理由データ”を見える化すると、最も多い損失要因(例:設備立ち上げ調整時間)が特定できます。
つまり、数字だけでなく「なぜ」を見つけることが改善の鍵です。
この方法を導入した中小工場では、半年で平均稼働率が68%→82%に向上し、年間500万円以上の原価削減に成功しています。実績のある方法ですね。
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