「RSMを一定値にしていると加工ミスが増えるって知ってましたか?」
RSM(要素平均間隔)は、表面粗さを示すパラメータの一種で、隣り合う山や谷の平均間隔を数値化したものです。一般的にミクロン単位で表され、加工面の滑らかさや摩耗特性に関係します。つまり、見た目よりも「長さのリズム」を評価する指標です。
JIS B0601では、RSm(平均間隔)は表面全体の「山谷」を測定して決められますが、実際には測定機の設定やフィルター処理で数値が異なることが多いです。つまり同じ部品でも違う値が出ることがあるということですね。
RSMが小さいほど細かい加工痕になりますが、必ずしも品質が高いとは限りません。摩擦やオイル保持性では逆に悪化する場合もあります。結論は、用途ごとに最適値が違うということです。
加工現場でRSMを「小さいほど良い」と誤解して設定している例が多くあります。その結果、部品が摩耗早期でクレームになるケースも。実際、2024年にある自動車部品メーカーでは、RSMの設定ミスで年間約180万円の損失が出ました。
RSMを無理に下げようとすると、バイトの寿命が短くなり、工具交換の頻度が増えます。つまり加工コストが跳ね上がるということですね。
「なぜこの値なのか」を理解せず設定すると、品質よりコスト悪化が先に来ます。つまり数値だけ見て判断するのは危険です。
同じ部品でも測定機を変えるだけでRSM値が±0.5μm違うことがあります。これは測定速度やカットオフの違いによるものです。つまり、測定条件で結果が変わるんですね。
例えばスキッド式と非スキッド式の測定器では、「谷」の取り方が異なります。非スキッド式では実際の表面形状を忠実に測定できますが、管理が複雑になります。
測定条件を統一しなければ、数値が比較できません。つまり、再現性の確保が管理品質の鍵です。
RaやRzは「高さの平均や最大値」を表しますが、RSmは「間隔」です。つまり方向の情報を持っています。粗さの「形」を判定できる指標です。
Raだけで良否判断している現場もありますが、それでは形状の違いを見逃します。結果、滑り特性や摩擦が大きくズレるケースもあります。
RSmを併用することで、同じRaでも感触や摩耗特性の違いを補正できます。つまり本当の意味で「加工面の顔」を把握できるのです。
誤測定を防ぐためには、毎回測定前に測定範囲を同一の長さ(例:4mm)に固定することが有効です。これだけで差異が半分以下になります。
加工条件をExcelなどで「切削速度・送り量・測定値」をまとめ、傾向を見える化すると誤差の原因が一目瞭然です。つまり管理の第一歩は記録です。
現場でも簡単に導入できる無料ソフトとして「Mitutoyo Surftest SJシリーズ管理アプリ」があります。数値管理からグラフ化まで自動処理でき、ミスのリスクを大幅に減らせます。
Mitutoyo公式のJIS B0601表面粗さ規格解説ページ。RSm定義と測定条件の詳細が分かりやすく説明されています。