シグマ20-200mm F3.5-6.3 DGレンズは、14群18枚の光学設計により世界初の20mmスタート10倍ズームを実現しています。このレンズの最大の特徴は、従来の高倍率ズームレンズが28mmまたは24mmからスタートしていたのに対し、20mmという超広角からの撮影を可能にしている点です。
参考)20–200mm F3.5–6.3 DG
光学性能面では、ズーム全域で健闘しているものの、特に広角側では倍率色収差の影響でフレーム周辺部の画質低下が見られます。歪曲収差や周辺減光の影響も目立つため、レンズプロファイルによる修正が必須となります。
参考)20-200mm F3.5-6.3 DG|C レビューVol…
解像度に関しては、シグマ独自のMTF測定器による品質管理により、出荷前の全数検査が実施されており、最高の性能と品質が保証されています。ただし、単焦点レンズやショートズームレンズほどの解像度は期待できないのが実情です。
参考)https://www.sigma-global.com/jp/support/download/SIGMA_LensCatalogue_22Spring_JP.pdf
本レンズの物理的な仕様は、最大径φ77.2mm×全長115.5mm、重量550gと小型軽量設計を実現しています。これは他社の競合製品と比較しても大きくも重くもない優秀なサイズバランスです。
参考)https://www.yodobashi.com/product/100000001009367736/
フォーカス駆動には、シグマ最新のHLA(High-response Linear Actuator)を採用し、静粛で高速なオートフォーカスを提供します。また、防塵防滴構造と撥水防汚コートを採用し、過酷な撮影条件にも対応可能な耐久性を備えています。
絞りは9枚の円形絞りを採用し、開放F値はF3.5(20mm時)からF6.3(200mm時)までと、高倍率ズームレンズとしては一般的な仕様となっています。
主要な競合製品との比較では、タムロン28-200mm F2.8-5.6が最も有力なライバルとなります。タムロンは広角側が28mmと狭い代わりに、F値が2.8と明るく、価格も約半額と経済的です。
参考)Sigma 20-200mm F3.5-6.3を28-200…
項目 | シグマ20-200mm | タムロン28-200mm |
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焦点距離 | 20-200mm | 28-200mm |
開放F値 | F3.5-6.3 | F2.8-5.6 |
重量 | 550g | 575g |
価格 | 143,000円 | 85,800円 |
ソニー純正のFE 24-240mm F3.5-6.3は発売から10年が経過し、重量780gと重く、近接撮影能力も低いため、現在では推奨されません。
シグマ20-200mmレンズの特筆すべき特徴として、28-85mm域での最大撮影倍率1:2のハーフマクロ性能があります。この性能により、標準ズームレンジの全域でハーフマクロ撮影が可能という、従来のズームレンズにはない機能を実現しています。
参考)【スペック比較】シグマ20-200mm F3.5-6.3、タ…
最短撮影距離は、28mm時に16.5cm、ズーム全域で25cm(W)から65cm(T)となっており、被写体に非常に近づいての撮影が可能です。これにより、小さな被写体のクローズアップ撮影から風景撮影まで、1本のレンズで幅広い表現が楽しめます。
参考)https://news.mapcamera.com/KASYAPA/sigma-contemporary-20-200-mm-f3-56-3-dg-photo-review/
通常、最大撮影倍率を発揮できる焦点距離はピンポイントですが、このレンズは標準ズーム域の全域でハーフマクロ性能を維持するという革新的な設計となっています。
高性能ズームレンズの性能を長期間維持するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。カメラレンズの清掃・点検サービスでは、プロによる専門的なメンテナンスが提供されています。
参考)カメラのメンテナンスサービス|カメラのキタムラ
基本的なメンテナンス項目として、以下が重要です。
キヤノンの場合、カメラ・レンズセットの基本メンテナンスは5,500円(税込)で提供されており、3-6ヶ月単位での定期的な点検・クリーニングが推奨されています。
参考)あんしんメンテ(キヤノンのカメラ・レンズの点検・クリーニング…
ズームレンズは複数のレンズ群が可動する複雑な機構のため、通常の単焦点レンズよりも精密なメンテナンスが必要です。特に防塵防滴構造を維持するためのシール部分の点検は、レンズの長寿命化に重要な要素となります。
参考)http://home.a00.itscom.net/shisan12/lens03.htm