ledテープ車外装取り付け方法とドレスアップ選び方ガイド

車の外装にledテープを取り付ける際の選び方から配線方法、保安基準まで整備士が知るべき重要ポイントを詳しく解説。防水性能や法的制約を理解して安全な施工を行えますか?

ledテープ車外装取り付けガイド

車外装LEDテープ施工の基本要素
🔧
防水・防塵性能

IP65以上の防水規格と高い防塵性能が必須

電源・配線設計

12V電源の適切な取得と安全な配線施工

📋
保安基準遵守

道路運送車両法に基づく適切な取り付け位置

ledテープ車外装用の選び方と防水性能

車の外装にledテープを取り付ける際、最も重要な要素は防水性能です。車外での使用を想定したledテープは、IP65以上の防水規格を満たしている必要があります。IPX7などの表記があっても、これはLED部分のみの防水性を示している場合が多く、コネクタ部分や配線部分の防水が不十分な製品も存在するため注意が必要です。

 

防塵性能も同様に重要で、砂利や埃から保護できる高い防塵性が求められます。特に日本の気候条件を考慮すると、梅雨時期の長時間の降雨や、冬季の融雪剤による塩害にも耐えられる製品選択が重要です。

 

明るさの選択については、用途に応じて適切なルーメン値を選定します。デイライト用途では十分な視認性が必要ですが、過度に明るすぎると他の運転者への眩惑の原因となるため、バランスが重要です。

 

  • 防水規格IP65以上の確認方法
  • 製品仕様書での防水等級表記
  • コネクタ部分も含めた全体防水性
  • 温度変化への耐性
  • 色温度の選択基準
  • 昼白色6000K:デイライト用途
  • 電球色2700K-3000K:アクセント照明
  • RGB対応:カスタマイズ重視

ledテープ車外装への取り付け方法と電源配線

車外装へのledテープ取り付けでは、電源の取得方法が施工の成功を左右します。最も推奨される方法は、シガーソケット(アクセサリーソケット)からの12V電源取得です。この方法は安全性が高く、車両の電気系統への影響を最小限に抑えられます。

 

配線作業では、ledテープのコードが0.2sq相当と細いため、通常のギボシ端子は使用できません。専用の細線シリーズを使用した接続が必要で、不適切な接続は接触不良や発熱の原因となります。

 

取り付け位置の前処理も重要です。貼り付け面の汚れを完全に除去し、脱脂処理を行ってから両面テープでの固定を行います。粘着力が不足する場合は、専用の強力両面テープの使用を検討します。

 

  • 電源取得時の確認事項
  • 車両電圧の確認(大型車は24V注意)
  • アクセサリー電源との連動設定
  • ヒューズ容量の確認
  • 配線作業のポイント
  • 細線専用コネクタの使用
  • 防水処理の徹底
  • 配線の固定と保護

配線の引き回しでは、エンジンルーム内の高温部や可動部を避け、純正配線に沿わせることで美観と安全性を両立できます。特に、ラジエーターファンやドライブベルト周辺への配線は避け、適切な配線クランプで固定します。

 

ledテープ車外装での保安基準と法的注意点

車の外装にledテープを取り付ける際は、道路運送車両法の保安基準第42条「その他の灯火等の制限」を遵守する必要があります。フロントバンパーやフロントグリルへの取り付けは可能ですが、いくつかの重要な制限があります。

 

点滅機能については、走行中および停車中の公道での点滅は法的に禁止されています。ただし、手動でのパッシング操作や、3秒以内のアンサーバック機能は認められています。これらの規制を理解せずに施工すると、車検での不適合や法的問題の原因となります。

 

取り付け位置にも規制があり、灯火の直射光や反射光が運転操作の妨げになる場所への設置は禁止されています。特に運転席からの視界を妨げる位置や、他車の運転者に眩惑を与える可能性がある角度での取り付けは避ける必要があります。

 

  • 保安基準適合のポイント
  • 点滅機能の制限理解
  • 適切な取り付け位置の選定
  • 光量の適正化
  • 車検対応での注意事項
  • 保安基準適合証明の準備
  • 取り外し可能な設計
  • 純正装備への影響確認

エーモン工業の保安基準解説
保安基準第42条の詳細解説と適法な取り付け方法について

ledテープ車外装でのドレスアップカスタム事例

車外装でのledテープを使用したドレスアップでは、デイライト風の演出が人気です。フロントバンパー下部やグリル周辺への配置により、高級車のような印象を演出できます。ただし、見た目のインパクトだけでなく、実用性も考慮した設計が重要です。

 

サイドビュータイプのledテープは、曲面部への追従性が高く、バンパーのラインに沿った自然な発光が可能です。このタイプは横から見た際の美観性に優れており、車両の立体感を強調する効果があります。

 

色選択では、昼間の視認性を重視する場合は昼白色、夜間のアクセント効果を狙う場合は暖色系が効果的です。RGBタイプを選択すれば、シーンに応じた色変更も可能ですが、調整には専門的な知識が必要です。

 

  • ドレスアップの効果的な配置
  • フロントバンパー下端ライン
  • グリル周辺のアクセント
  • サイドスカート縁取り
  • デザイン性向上のテクニック
  • 車両のキャラクターラインとの調和
  • 対称性を意識した配置
  • 夜間と昼間での見え方の考慮

カスタム事例として、スポーツカーでのアグレッシブな印象強化や、SUVでの力強さの演出など、車種の特性を活かした施工が効果的です。

 

ledテープ車外装トラブル対処と整備士の専門知識

整備士として知っておくべきledテープのトラブルには、特有の症状と対処法があります。最も多いトラブルは、湿気による接点の腐食です。日本の高湿度環境では、防水処理が不十分な箇所から水分が侵入し、LEDの部分点灯や完全消灯を引き起こします。

 

電圧降下による明度不均一も頻繁に発生する問題です。特に長尺のledテープでは、始端と終端で明るさに差が生じやすく、適切な電源供給設計が必要です。24V車両での12V用ledテープの誤用は、即座のLED破損につながるため、電圧確認は必須です。

 

両面テープの剥がれは、走行中の部品脱落リスクを伴う重大な問題です。特に高速走行時の風圧や、洗車時の水圧により剥がれが発生しやすく、定期的な点検が必要です。剥がれ防止には、プライマー処理や機械的固定の併用が効果的です。

 

  • 診断時のチェックポイント
  • 電圧測定による電源系統確認
  • 接点の腐食・劣化状態
  • 取り付け部の固定状態
  • 予防保全のアドバイス
  • 定期的な防水シール点検
  • 配線の応力集中箇所確認
  • 清掃時の注意事項説明

温度変化による収縮・膨張で配線に応力が集中し、断線が発生することもあります。特に寒冷地では、低温時の樹脂硬化により配線の可撓性が低下し、振動による疲労破壊が起きやすくなります。

 

修理時には、純正部品との干渉確認も重要です。エアロパーツの取り外し時にledテープが損傷しないよう、事前の確認と適切な養生が必要です。また、板金修理時には、塗装プロセスでの高温によるLED破損リスクもあるため、事前の取り外しを推奨します。

 

整備士として顧客に提供すべき情報には、適切な使用方法と定期点検の重要性があります。特に、洗車機使用時の注意点や、DIYでの追加施工時の注意事項を明確に伝えることで、トラブルの予防につながります。